高橋 どん底抜け出す満塁アーチ

[ 2010年5月10日 06:00 ]

<日・楽>7回2死、満塁弾を放った高橋(右)は稲葉(左)らに迎えられる

 【日本ハム7―3楽天】ベースを回りながらガッツポーズを繰り返した。同点の7回2死満塁。日本ハム・高橋は失投を逃さなかった。07年9月21日のオリックス戦(札幌ドーム)以来、自身5本目の今季2号グラウンドスラムは左中間スタンドへ飛び込んだ。

 「たぶん真っすぐ。満塁のケースで内角はあまり攻めてこないので、(外の)スライダーでくると思っていた。奇跡ですね」。前日はダルビッシュの粘投で岩隈との壮絶な投手戦をものにすると、この日はどん底で苦しんできた男のバットが田中を打ち砕いた。
 昨季打率・309をマークした高橋だが、今季は大不振。それに反映するようにチームも低迷。周囲への申し訳なさと自分への情けなさで、4月14日夜は腹痛で寝付けなかった。診断は急性胃腸炎。ストレスで体重は86キロから6キロ減。4月28日からは23打席連続無安打。トンネルを抜けようと試合前、試合後だけでなく休日もバットを振ってもがき続けた。
 そんな姿を梨田監督は見逃さなかった。「(高橋)信二の一発が効いたなかなか調子が上がらなくて、特打したりして苦しんでいたけど、これで交流戦につながるね」。リーグ屈指の岩隈、田中を相手に連勝。ほっそりとしたラインのあごをさすった高橋は「体重は2キロぐらい戻った。あごはもともとしゃくれているだけ」と、笑いを誘う余裕も出てきた。チームは今季2度目の3連勝。今は最下位でも昨季王者に浮上の兆しは見えている。

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2010年5月10日のニュース