金本気迫の一打!12年ぶり代打安打

[ 2010年4月22日 06:00 ]

<神・広>8回、代打・金本は右前打

 【阪神1-2広島】甲子園のボルテージが最高潮に達した。同点の8回無死一塁。阪神2番・平野に代わり「代打・金本」がコールされた。バントなどあるわけがない。ただ打つのみ。そして、広島・前田健の145キロの直球を振り抜き、ライナーで右前に運んだ。

 18日の横浜戦(横浜)で連続フルイニング出場が1492試合でストップして以来、3度目の代打。たった1度のチャンスにすべてのパワーを注ぎ込むため、2回終了時から素振りを開始した。時折、バットを置いてデータを確かめ、またスイング。「かなり早い回から準備をしていた。カネのプロ意識だよね」。岡野手チーフコーチが話したように、打席に入る前から首筋には大粒の汗が光っていた。

 代打での安打は、広島時代の98年8月21日、巨人戦(広島)の7回に西山から本塁打を放って以来、12年ぶり。代走を送られて、ベンチに戻った金本はハイタッチで迎えられ、思わず表情を崩した。

 だが、右肩痛を抱える42歳の気迫の一打に後続が応えられなかった。進塁打と敬遠で1死満塁としたが、城島、ブラゼルが連続三振。直後の9回に小窪に勝ち越しソロを浴びて逆転負けを喫した真弓監督は「城島とブラゼルが何とかしてくれると思ったんだけど」と悔しさをにじませた。

 それでも金本は「最強の切り札」であることを証明した。「今後も、ああいった場面での起用になる。あそこで打てるのは、さすが」と和田打撃コーチ。「4番」として戻ってくるまで、背番号6は1打席に懸ける。

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2010年4月22日のニュース