ダル 連敗止めた!すべて空振り11K!

[ 2010年4月4日 06:00 ]

<日・西>6回1死一、三塁、中村を三振に仕留め笑顔をみせるダルビッシュ

 【日本ハム2-1西武】直球が走るからバットが空を斬る。今季3度目の先発で日本ハム・ダルビッシュが8回6安打1失点。11三振をすべて空振りで奪い、開幕から3戦連続2ケタ奪三振。「一発(1試合)でチームの流れを変えるぐらいのつもりでマウンドに立った」と143球の力投で今季初勝利を挙げ、チームの連敗を5で止めた。

 直球は今季初めて150キロを計測した。「フォークもスライダーもボール球なのに振ってくれた。直球がいいんだと思う」。1点リードの8回、4番・中村を3球三振に斬ったシーンが象徴的だ。味方失策で1死一、二塁のピンチもスライダーと直球で追い込み、最後は外角へ逃げていくスライダーで仕留めた。

 昨季は12打数5安打、打率・417、1本塁打とやられたレオ主砲に対し、徹底的な外角攻めを見せた。開幕前からダルビッシュの新球として話題だったのが「ワンシーム」。右打者の内角に食い込みながら沈む魔球だが、3月20日のソフトバンク戦では多投し、逆に狙い打ちされた。

 しかし、今回はそのイメージを逆に利用。第2打席から中村を3打席連続で三振に仕留めたが、内角球は第2打席の1球だけ。「初戦であれだけ内角に行ったのを当然他球団も見ている。あれを生かせた」と厚沢投手コーチ。失敗をアドバンテージとし、さらには今回の外角攻めをライバル球団に新たなイメージとして植えつけた。

 この日のダルビッシュは今季最速となる150キロを中村との対決で2度計測。実は序盤140キロ前後の球速が目立ったが「体全体を使った」と投球動作にひねりを加えたことで修正。これが中村斬りの生命線となった外角直球を支えた。

 チームは北海道移転後、本拠地通算200勝に王手。「今季初めて先発に白星がついたね。どんな1勝も同じだけれど、リリーフにホールドやセーブがつけばみんなで喜べる」と梨田監督。最下位に低迷する昨季王者だが、エースの快投で停滞ムードは吹き飛んだ。

 ≪ダル 次回登板で史上3人目の記録に挑戦≫ダルビッシュ(日)が8回1失点で今季初勝利。チームの連敗は5で止まった。ダルビッシュがチーム5連敗以上を止めたのは06年6月6日阪神戦(5連敗)、07年4月26日ロッテ戦(6連敗)、09年9月13日ロッテ戦(6連敗)に次いで4度目になる。この日は11三振を奪い、開幕からの奪三振は13→11→11と3試合連続2ケタ。自身3試合以上の連続2ケタ奪取は08年9月に4試合続けたのに次いで2度目。過去、4試合以上の連続2ケタ奪三振を複数回マークしたのは野茂(近=8度)、伊良部(ロ=2度)といるだけ。次回登板で史上3人目の記録に挑む。

 ≪坪井 1041日ぶりの三塁打≫日本ハム36歳の坪井が2回2死二塁から先制の左中間三塁打。07年5月28日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、1041日ぶりの三塁打に「あすは動けないかも…。でも坪井ジャンプに応えることはできました」。札幌ドームの応援は稲葉ジャンプしかないが、ジョークで笑いを誘った。梨田監督も「二塁打じゃなく三塁打でベンチにカツを入れるのがベテランらしい」と勝負強さを絶賛していた。

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2010年4月4日のニュース