長野 勝ち越し演出「ドキドキ」プロ初お立ち台

[ 2010年4月4日 06:00 ]

<広・巨>9回、打者・李のとき、ワイルドピッチで生還した長野を迎える原監督

 【巨人6-5広島】巨人は3日、広島を逆転で下し3連勝で貯金を2とした。7回から代打で途中出場したドラフト1位の長野久義外野手(25)が2安打1盗塁に2得点を挙げて7、9回の同点、勝ち越しを演出。今後の先発出場へ向け強烈にアピールした。2日の試合前にくも膜下出血で倒れて、広島市内の病院で意識不明の状態が続いている木村拓也内野守備走塁コーチ(37)に、チームは2試合連続で激励の白星を贈った。

【試合結果


 敵地ながらプロ初のお立ち台。「ドキドキしています。(2打席とも)回の先頭打者だったので塁に出塁することだけを考えていた」。緊張気味の表情だったが、劣勢をひっくり返した救世主は間違いなく長野だった。
 1点を追う7回に先頭で代打で登場。「打順が9番だったので上位につなげたかった」と横山の外角低めのカーブを中越え二塁打。小笠原の左前打で生還し同点に追いついた。9回にも先頭で中前打し、続く坂本の打席でベンチの勝負サインに応えて二盗。その後に三進し暴投で生還した。原監督は「沈滞していたところで彼が入って風向きが変わった。素晴らしい2打席だった。大きな戦力です」と目を細めた。
 ナインの熱い思いが2試合連続の逆転勝利を生んだ。前日、くも膜下出血で倒れた木村拓コーチは意識不明の重体。昨年11月23日に東京ドームで行われた「ジャイアンツ・ファンフェスタ」で入団発表を終えた長野は同コーチにあいさつした。優しい笑顔で返ってきた言葉は「おう、頑張れよ!」。長野はキャンプ中に「初めて会う方ばかりで不安だったけど木村さんの言葉がうれしかった」と振り返っている。
 同コーチは宮崎出身で長野も同じ九州の佐賀出身。事あるごとに守備、走塁のアドバイスも受けていた。試合後、長野は「木村コーチのために頑張る?選手みんなが同じ気持ちです」と短い言葉に思いを込めた。
 原監督も強い心で戦った。開幕8試合目で打率・154と不振の亀井を5番から8番に降格させ、高橋を08年9月以来の5番に据えた。総力戦を制し「全員の力で戦うスタイルに変わりはない」と力強く言った。
 今季初の3連勝で2カード連続の勝ち越し。亀井の不振に加え、首脳陣は腰痛からの復活を目指す高橋に定期的に休養を与える方針で、近日中に長野が今季2度目の先発出場を果たす可能性は高い。「こういう仕事を続けていきたい」。長野は木村拓コーチを勇気づけるためにも白星に貢献する。

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2010年4月4日のニュース