登録名「雄星」!変化球解禁、打撃練習もスタート

[ 2010年1月20日 06:00 ]

新人合同自主トレで打撃練習する雄星

 西武のドラフト1位左腕・菊池雄星投手(18=花巻東)の登録名が19日、「雄星」に決まった。登録名については同投手が球団に一任してきたが、ファンが呼びやすいなどの理由で「雄星」に決まり、ユニホームの英語表記は「YUSEI」となる。晴れてプロでの呼び名が決まり、この日に埼玉・所沢市の西武第2球場で行われた新人合同自主トレーニングでは変化球を解禁、さらに初の打撃練習にも取り組んだ。また、今月28日に開催される春季キャンプ出陣式では工藤公康投手(46)とトークショーを行うことも決定した。

 もう菊池じゃない。プロでの登録名は「雄星」に決まった。ただ、花巻東時代もチームメートに下の名前で呼ばれていた雄星自身に特別な感情はない。「名前で野球をやるわけではないので。名前で成績が上がるわけでも下がるわけでもない。やるのは自分なので、こだわりはないです」と話した。
 その言葉通り、登録名に関しては球団に一任してきた。その中で球団側は「菊池」や「菊池雄星」とすることも検討したが、最終的には「星のように何年、何万年も語り継がれる英雄になるように」との願いを込めて名付けた両親の思いを尊重。前田球団本部長は「両親がつけられた名前で、ファンからも呼びやすく、球界を代表するスターになってほしいという意味合いから雄星に決めた」と説明した。西武では銀仁朗(入団時は炭谷)が2年目から名前での登録名に変更した例はあるが、高卒1年目のルーキーでは史上初。すでに渡辺監督も「雄星」と呼ぶなど、ナインにも浸透している。
 「雄星」としての初日。新人合同自主トレはこの日から第3クールが始まった。キャッチボールでは、チェンジアップ、フォーク、シンカーと変化球を解禁した。「覚えることは別として遊びで投げました。最初からスライダーを投げると腕の位置が下がったりするので」と振り返ったが、3度目となったブルペン入りでは本気モード。田原ブルペン捕手を立たせたまま、力のある直球を31球投げ込み「フォームの修正点はありますけど、感覚としてはいい感じに仕上がっている」と手応えを口にした。
 また、初めてメニューに加わったティー打撃では60スイング。高校時代はほとんど打撃練習を行ってこなかったこともあり「木のバットで打ったことがないので、しびれたり、怖いかなと思います」と苦笑。もっとも春季キャンプでも投手陣に打撃練習が課される予定で、「ピッチングにつながるし、野手のつらさや大変さが分かる。それを重点的に考えてやりました」と、入団1年目の松坂(現レッドソックス)のように、今後もバットを振り込んで下半身の切れを出していく。
 球界を代表するスターへ。「雄星」という名の怪物伝説の幕が上がった。

 <元祖はイチロー>名前だけの登録名は94年オリックスのイチロー(現マリナーズ)が元祖。姓より名で呼んでほしい、同姓の選手がいるなどが主な理由。漢字のままではなくイチローのようなカタカナやアルファベット表記の例もある。プロ1年目から使用した選手ではサブロー(ロッテ)、カズミ(ソフトバンク)、由規(ヤクルト)、阿斗里(横浜)らがいる。

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2010年1月20日のニュース