松井秀のハイペース調整に“待った”

[ 2009年2月14日 06:00 ]

首脳陣に左ひざの経過を報告した松井秀喜

 ヤンキースの松井秀喜外野手(34)のハイペース調整に12日(日本時間13日)、ジョー・ジラルディ監督(44)が“待った”をかけた。指揮官はキャンプ地のスタインブレナー・フィールドで昨年9月に手術した左ひざをチェック。順調な回復具合は認められたが、ランニングは当面別メニューを指示するなど、松井が目標に掲げてきた「キャンプ初日からフルメニュー参加」は難しくなった。

 期待されるがゆえの決断だからこそ、松井にはもどかしかった。約5カ月ぶりに首脳陣と再会。トレーナー同席のもと左ひざを確認した。左右、前後など患部に負担のかかる動きも無難にこなしてみせた。だがジラルディ監督ははやる松井の気持ちを抑えるかのように慎重な姿勢に終始した。
 「凄く回復しているよ。筋力的にも問題ない。ただ、最初のうちはひざへの衝撃があるので、他の選手と同じようなランニングはさせない」
 昨年同様14日(日本時間15日)からのバッテリー組キャンプにリハビリ組として一足早く参加。フリー打撃を行うことは決まった。ただ、ランニングは別メニューとなる。「たくさん時間はあるんだ。オープン戦も当面はDHであまり守らせない。じっくりやっていく」と同監督はスロー調整を指示し、この日も室内でのリハビリのみでランニングは行わせなかった。都内の自主トレでは連日45分前後の走り込みをこなしてきたが、故障再発を恐れる首脳陣の徹底ぶりがうかがえた。
 18日(同19日)の野手組キャンプ初日にフルメニュー参加がゴジラ逆襲へ最初の目標だった。そこから25日(同26日)のオープン戦初戦ブルージェイズ戦出場とつなげ、契約最終年を最高の形で迎えるつもりだった。しかし「ある程度はできると思うけど、無理するな、とランニングを外れたりはあるかもしれませんね」と松井もトーンダウンだ。
 「去年は松井とポサダ(右肩痛)の2人が抜けたのが響いたんだ。今、他の選手と同じメニューでやらせることは意味をなさない」と同監督。期待されるがゆえの過保護方針だが、背水の陣で挑む松井の青写真は早くも狂い始めた。

続きを表示

2009年2月14日のニュース