遠回りしたドラ1候補 151キロ右腕は上原に迫る32勝

[ 2008年10月28日 07:24 ]

 30日に行われるドラフト会議で、社会人野球の経験を持つ大学生がプロになる夢を実現しようとしている。最速151キロを誇る関西国際大の榊原諒投手(23)は「プロがどんなレベルかわからないが、不安より期待の方が大きい」と来るべき日を心待ちにしている。

 175センチと上背こそないが、鋭い腕の振りから直球と切れのあるスライダー、ツーシームなどを投げ分ける右の本格派。最後のシーズンとなった阪神大学秋季リーグでは、6勝(2敗)を挙げて防御率は0・86。上原(大体大、現巨人)の36勝にせまる、歴代3位の通算32勝をマークした。
 岐阜・中京高時代の2002年夏と03年春に甲子園大会に出場し、社会人野球の三菱自動車岡崎に進んだ。だが、入社直後に会社がタイヤ脱落事故などの不祥事を起こし、野球部も活動自粛に追い込まれる。野球を続けるため、新たな環境を求めて大学に入学した。
 05年春に1部昇格を果たしたばかりのチームは、強化策が実を結んで昨春の初優勝からリーグ戦3連覇を達成。その立役者となった榊原も「大学に入って真っすぐが速くなり、自信になった」とプロ注目の右腕に成長した。「ドラフトを待つのではなくて、プロで通用するようにしっかり準備したい」。回り道を経てつかんだチャンスを逃すつもりはない。

続きを表示

2008年10月28日のニュース