岩村ショック…「デビルレイズの野球」

[ 2008年10月18日 06:00 ]

<レッドソックス・レイズ>5回1死一、二塁、三盗に成功する岩村

 【レイズ7―8レッドソックス】7点差をひっくり返されたショックはさすがに大きかった。クラブハウスでは、ワールドシリーズ初進出を祝うシャンパンファイトの準備が始まる直前。まさかの結末に岩村は悔しさをかみしめた。

 「普通に考えたらありえない。7―0で7回2死からですから。久しぶりにレイズではなく(昨年までの)デビルレイズの野球を見てしまった」
 96敗した昨季に何度も見た光景が思わずフラッシュバックした。今季レイズの快進撃を支えてきた“中継ぎ3銃士”バルフォア、ウィーラー、ハウエルが相次いで炎上。昨季両リーグ最低の防御率6・16に沈んだ中継ぎ陣は今季同4位の3・55に躍進。シーズンで5点差以上を逆転されたことは1度もなく、ポストシーズンも24回2/3を防御率1・46と抜群の安定感を誇っていたが、どうすることもできなかった。
 岩村は初回に松坂から右前打。アップトンの2ランで生還すると7回にも四球で出塁して7点目のホームを踏んだ。今季2得点以上した試合は14勝0敗だった“不敗神話”も崩壊。「どんな手を使ってもボストン相手にセーフティーリードはない」と5回の三盗を含む2盗塁と攻めの手は緩めなかったが、最後に待っていたのは悪夢だった。
 「中継ぎは1年間を通じてうちの最大の武器だった。7点リードでつないだまでは良かったが」とマドン監督。うなだれるナインの中で1人最後まで残った岩村は言った。「ファンの盛り上がりも、レッドソックスのはしゃぎ方も見てきた。自分の心の中に悔しさとして、大事なものとしてとっておきたい」。まだ王手をかけた状況に変わりはない。得意の本拠地で歓喜の瞬間を迎えてみせる。

 <打線は好調!松坂粉砕>敗れたとはいえ、好調レイズ打線は松坂を粉砕した。この日の3本塁打でア・リーグ優勝決定シリーズ新記録となる13本。ポストシーズン19本塁打も初出場のチームとしては新記録だ。3回、ペーニャの2ランに続き、今ポストシーズン6本目のソロを放ったロンゴリアは自身の新人本塁打記録を更新。4試合連続本塁打はア・リーグ優勝決定シリーズ初となった。ペーニャとの2者連続弾は今ポストシーズン2度目で、これも史上初の記録に。9回2死から失策で打者走者を二塁へ進め、サヨナラ負けのきっかけを作ったロンゴリアだが「切り替えてやるしかない」と好調なバットでばん回を誓った。

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2008年10月18日のニュース