“大奮投”涌井要所締めた!納得の6回1失点

[ 2008年10月18日 06:00 ]

<西・日>涌井(左)と握手する渡辺監督

 【西武10―3日本ハム】エースらしい投球だった。CS“開幕投手”の大役に応える6回1失点の力投。涌井のほおは自然と緩んだ。

 「決めにいくところで全部いい球がいったんで、そんなに打たれる気がしなかった。納得できる投球ができました」
 横浜高時代の04年、埼玉国体決勝で東北・ダルビッシュ(日本ハム)に投げ勝って以来の大宮での登板。立ち上がりはマウンドの低さに戸惑い、高めに浮く球が目立ったが徐々に修正した。毎回走者を背負いながら要所でギアチェンジ。日本ハムの勢いを止め、味方打線の爆発を呼んだ。
 昨季17勝の最多勝右腕も今季は10勝11敗と不本意な成績。北京五輪後からは20キロのシャフトを使用して上半身の筋力トレーニングを初めて行うなど復調へ模索が続いた。宮崎・南郷での直前キャンプでは内野ノックを受け、一塁送球で鈍っていた腕の振りを矯正。確かな手応えから16日には「エースの投球をしたい」と宣言した。普段通り8時間睡眠をとり体調万全で臨んだ一戦。自信あふれる投球を、渡辺監督も「格好良かった。本当に粘り強く投げてエースの仕事をしてくれた」と称えた。
 6回での降板は中4日で先発が濃厚な22日第5戦に備えてのもの。「それを計算して早めに降ろしてもらった」という涌井は、お立ち台でファンに向かって「あした、あさってはデーゲーム。皆さん暇だと思うんで…西武ドームで3連勝して優勝しましょう」と約束した。一気のCS突破へ。輝きを取り戻した若きエースが最高の弾みをつけた。

 <オーナー上機嫌「ナイスゲーム」>地方球場初となるCS開催に2万500人の観衆が沸いた。県営大宮での公式戦は6月27日のロッテ戦以来。前回に続く快勝に観戦した後藤オーナーも「ナイスゲーム!やってくれると思っていたよ。大宮は相性いいんだよ。これでまたお客さんも入ってくれるかな」と上機嫌で球場を後にした。

続きを表示

2008年10月18日のニュース