レッドソックス 156キロ腕の田沢獲り!

[ 2008年9月2日 06:00 ]

<ENEOS・JR四国>8回2死、JR四国・上野を三振に打ち取りガッツポーズしながらベンチに引き揚げるENEOS・田沢

 大リーグのレッドソックスが今ドラフトの超目玉、新日本石油ENEOS・田沢純一投手(22)の獲得に乗り出していることが分かった。MAX156キロ右腕は都市対抗に出場中。1日のJR四国戦では8回を4安打1失点12奪三振に抑えた。日米の関係者によるとすでにエプスタインGMが獲得へGOサインを出している。

 ドームのネット裏には日本の12球団に加えブレーブス、メッツなどのスカウトが集結した。そんな中、水面下で田沢にターゲットを絞ったのが松坂、岡島の獲得で成功を収めたレ軍だ。

 田沢は今年3月のスポニチ大会準々決勝で大会新の18奪三振をマーク。同大会でMVPに輝き、日本の数球団も1巡目指名を検討している逸材だ。レ軍は昨年11月のW杯(台湾)などでジョン・ディーブル環太平洋スカウトが視察。松坂獲得へ動いたクレイグ・シップリー国際担当部長と徹底マークを続けた。「日本の投手の素晴らしさはダイスケ(松坂)オキ(岡島)でよく分かった。メジャー全30球団が日本投手のデータをそろえる時代となったが、ウチは若い選手の情報も積極的だ」とエプスタインGM。レ軍の日本選手情報はアマを含め数十人に上る。中でも田沢は“松坂2世”と高評価。先発陣は松坂、ベケット、レスターの3本柱は確立しているが、若返りは常勝軍団をつくる上で急務だ。

 社会人のドラフト候補生が大リーグとの契約を禁止する明確な規定はない。田沢も国際舞台を経験していく中でメジャー志向が強くなっており、10・30ドラフト前にレ軍入りを表明する可能性もある。1巡目候補がドラフト前にメジャー行きを表明すれば史上初のケースだけに、決断に注目が集まる。

 ≪国内球団も熱視線≫1巡目指名を公言しているオリックスなど国内全球団のスカウトも田沢の投球に熱視線を送った。横浜は地元出身の逸材とあって1巡目指名を検討しているが村上チーム運営部門統括は「変化球で打ち取ることを意識していたことが成長の証」。さらに広島・苑田スカウト部長も「さすが大会No・1投手。足の開きを調整すればもっと速度が増す」と評価していた。

 ◆田沢 純一(たざわ・じゅんいち)1986年(昭61)6月6日、神奈川県横浜市生まれの22歳。三ツ沢小3年で野球を始め、松本中を経て横浜商大高1年夏からベンチ入り。2年夏は甲子園出場も登板はなし。エースを務めた3年夏は神奈川大会4強。05年新日本石油ENEOS入社。家族は両親と弟。1メートル81、81キロ。右投げ右打ち。

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2008年9月2日のニュース