三菱ふそう川崎“最後の夏”は初戦で散る…

[ 2008年9月1日 06:00 ]

<三菱ふそう川崎・JR九州>応援団に挨拶を終え、引き揚げる垣野監督(右)ら三菱ふそう川崎ナイン

 都市対抗野球大会第3日は31日、東京ドームで1回戦3試合が行われた。第3試合では、今季限りでの活動休止が決定している三菱ふそう川崎が登場。西郷泰之内野手(36)を中心とする打線がJR九州の米藤太一投手(29)に5安打に抑え込まれ、1―3で初戦敗退となった。第2試合では、富士重工が阿部次男投手(35)と平井英一投手(29)の継投で、9回では大会新記録となる21三振を奪ってTDK千曲川に快勝。第1試合はJFE東日本が伯和ビクトリーズを下した。

【試合結果


 【三菱ふそう川崎1-3JR九州】最後の打者・植山が遊ゴロ併殺打に倒れると、三塁側の大応援団から悲鳴が漏れた。ナインはベンチでぼう然と立ち尽くした。3年ぶり4度目の優勝を目指して挑んだ最後の都市対抗は初戦であっけなく散った。

 「力負けです。打てなさすぎた。もう少し長くこの場所にいたかったし、スタンドの応援は力になったんですが」

 就任19年目、03年には野村監督(現楽天)率いるシダックスを決勝で破るなど3度頂点に導いた垣野監督は素直に完敗を認めた。

 7月8日に会社が野球部の今季限りでの活動休止を発表。ナインは垣野監督を男にしようと燃えていたが、自慢の打線が相手の先発左腕・米藤の緩急自在の投球に苦しめられて5安打1得点。気合が空回りしてしまった。

 大会最多本塁打記録(14本)にあと2本に迫っていた主砲・西郷も4打数無安打。チーム一筋18年目、社会人ベストナインを史上最多タイの6度獲得している“ミスター社会人”は「思いがこみ上げて力んでしまった。相手が上だった」と目を赤くした。

 だが、これで終わりではない。11月の日本選手権出場という大きな目標がある。「都市対抗でのプレーは幸せでした。日本選手権では笑って終わりたい」と西郷。気持ちを切り替えて最後の戦いへ向かう。

 ≪社員5000人の応援も実らず≫活動休止前最後のドームの戦いを見届けようと三塁側応援席には社員約5000人が詰めかけた。応援団のマネジャーを務める金野文夫さん(46)は「野球部は会社の象徴。社員の士気高揚、一体感のためには絶対必要です」と必死に声援を送ったが実らず。最後はあいさつに来たナインに大きな拍手を送っていた。

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2008年9月1日のニュース