史上初“ドロー3連続劇場”!岸171球力投

[ 2008年9月1日 06:00 ]

ソフトバンクに3試合連続で引き分け、ナインを迎える西武・渡辺監督(左端)。その隣は先発岸

 【西武0-0ソフトバンク】3日間、36回を戦っても決着はつかなった。31日に行われたソフトバンク―西武戦は延長12回、0―0で引き分け。同一カード3試合連続の延長ドローはプロ野球史上初の珍事となった。西武にとっては優勝マジックを3試合で3つ減らして19。勝ちに等しい13時間32分の“ドロー劇場”だった。

 足かけ3日。それでも決着はつかなかった。史上初の同一カード3戦連続延長戦でのドロー。渡辺監督は3日間、13時間32分に及ぶ激闘を戦い抜いたナインを三塁ベンチ前で出迎え、その労をねぎらった。

 「さすがに疲れたね。3戦連続ドロー?まあ勝つことに越したことはないけど、ウチとしては勝ちに等しいよ」。優勝マジックは3日連続で1つずつ減って19。疲労感よりも満足感が漂った。

 息詰まる投手戦を演出したのは、先発の岸だ。初回、7回、そして9回は2死満塁とスコアリングポジションに走者を置きながらも小久保を3打席とも“宝刀”スライダーでねじ伏せた。前回25日の日本ハム戦(札幌ドーム)の7回、投球練習中に痛めた右股関節の影響を感じさせない力投で9回無失点7奪三振。自己最多171球の熱投に「こんなに投げたのは大学4年生(東北学院大)の時以来かな。小久保さんに投げたスライダーがいいところに決まってくれた。疲れたけど、気持ちで投げました」と安どの表情を見せた。

 月間MVPを獲らせたいとの渡辺監督の親心も見えた。8回で球数が138球を数えた岸に「どうだ?」と続投を確認。岸は白星こそつかなかったが、8月は5試合に登板して3勝0敗、防御率1・32。もう1人の候補、楽天・岩隈は3試合で3勝0敗、防御率0・82も、指揮官は「岩隈より岸の方が投球回数で断然上(岸=41イニング、岩隈22イニング)。これで月間MVPを獲れなかったら選考委員が悪いね」といたずらっぽく笑った。

 北京五輪期間を含んだ8月を12勝7敗3分け。貯金を5つ増やして9月のラストスパートを迎える。“負けない西武”の本領を発揮すればするほど、歓喜の瞬間は刻一刻と近づいてくる。

 ≪3戦で38K…この日も岸に報いられず≫自慢の強力打線は岸の好投に報いることができずに11三振。3戦で38三振を喫した。初回、右肩に死球を浴びたブラゼルは3回、空振りの際にバットを一塁スタンドまで放り込むと、そのまま右肩を押さえてうずくまって途中交代。一方、バットは50代の女性の左くるぶしを直撃し、担架で医務室に運ばれるアクシデント。ブラゼルは福岡市内の病院でエックス線検査を受け、骨には異常はなかったが、1日に出場選手登録を抹消する。佐々木チーフトレーナーも「肩の内部に痛みがあるみたい」と心配顔。後藤、ボカチカに続き、痛い負傷者続出となった。

続きを表示

2008年9月1日のニュース