岩村4戦連続マルチ!“日本人月間MVP”

[ 2008年5月31日 06:00 ]

16日のカージナルス戦で安打を放つレイズの岩村。この試合3安打1打点

 【レイズ1-5ホワイトソックス】レイズ・岩村明憲内野手(29)が29日(日本時間30日)、ホワイトソックス戦で4試合連続マルチ安打の活躍をみせた。自身の月間最多安打を更新する39安打はリーグ最多、月間打率・339はヤンキース・松井を抜いて日本人野手トップだ。とはいえチームは1―5で敗れ、今季快進撃の立役者、守護神・パーシバルも故障者リスト入り。苦境を迎えた首位レ軍を“日本人月間MVP”が支える。

 新生レ軍を引っ張る背番号1が、いきなり切り込んだ。初回、ダンクスの外角に逃げる球を中前へ。2点を追う3回1死二塁では外角高めを三塁線へ流して内野安打とし、後続の得点につなげた。岩村は4試合連続のマルチ安打にも「マルチ(複数安打)を打って当たり前ぐらいでないと駄目」と言い切り、表情を少しも緩めなかった。

 この2安打で松井を抜いて月間打率・339は日本人野手トップだ。これまでの自身の月間最多33安打を大きく更新する39安打は、リーグ最多でもある。その内訳も内野安打が3本で、残りを左へ11本、12本が中堅、13本が右方向と巧みに打ち分けている。4月終了時は・210だった打率は・277まで上がった。

 だが、首位を快走するチームは奮闘むなしく1―5で敗戦。岩村は「仕方ない。すべてうまくはいかない。投手もいいところに投げていた。気持ちを切り替えて、また明日」と唇をかんだ。さらに、ここまで14セーブの守護神パーシバルが左太腿裏痛で試合前に故障者リスト入り。「僕や野手の活躍より、何よりパーシバルの存在が大きい。そこが去年までと一番違うところ」と岩村もよりどころとしていた歴代10位の通算338セーブを誇る38歳の大ベテランが離脱した影響は大きい。

 ここまでリーグ最高の勝率・593で、レッドソックス、ヤンキースの2強を抑えて地区首位に立つ快進撃の立役者の離脱。大きすぎる穴は全員で埋めるしかないが、チームリーダーの岩村にかかる期待がさらに大きくなるのは必至だ。

 1番打者として今季は併殺が1度もなく、初挑戦の二塁守備では無失策を貫き通す攻守のキーマン。岩村の大車輪の活躍なくして、奇跡のプレーオフ進出は見えてこない。

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2008年5月31日のニュース