マー君雄叫び解禁 3週間ぶり○

[ 2008年5月26日 06:00 ]

<ヤクルト・楽天>6回無死一、三塁、遊ゴロを打ち貴重な追加点を入れた田中は照れながらベンチの祝福を受ける

 【楽天10―2ヤクルト】マー君の力強い雄叫びが復活した。楽天の田中将大投手(19)がヤクルトを7回6安打2失点に抑え、4日・日本ハム戦(札幌ドーム)以来の5勝目を挙げた。ここ2試合連続KOの反省から、気迫を前面に押し出す投球スタイルに戻すと、6回にはプロ初打点もマーク。チームも田中の奮闘で、交流戦首位タイに躍り出た。

 19歳の足元はふらついていた。クラブハウスへのわずかな階段。5勝目を挙げた楽天・田中は「右足がつってる」と記者のベルトに手をかけながら、鼻歌交じりの“前進”宣言でバスに乗り込んだ。「きょうはかなり前に進めたんじゃないですかね。さ~ん歩進んで2歩さがる~。下がっちゃダメか。でも腕を振って投げた結果が良かった。次につながると思う」
 2戦連続KOから7回6安打2失点で3試合ぶりの白星。復活へのカギは原点回帰だ。初回、先頭・福地への4球目に151キロをマーク。ファウルにこそなったが、なりを潜めがちだった雄叫びを上げた。3回に畠山の左翼線二塁打で同点とされたが、3回までに最速タイの152キロを含む8球の150キロ超えと雄叫びを連発。「ここ2試合KOされて相当、悔しい思いをした」と最後は右足に痛みがでるほどの気合で、4日の日本ハム戦以来の白星だ。今季はシュートを習得し打たせて取る投球を重視。一方で荒々しさが消えた。野村監督も「声は出した方がいい。気迫を出すのが彼のスタイル」と指摘。その指揮官が2回終了後にベンチで田中の尻を叩いて注入した気合が、チームの3連勝と交流戦首位タイ浮上を呼び込んだ。
 田中は6回無死一、三塁の第3打席に遊ゴロでプロ初打点もマーク。「たまたまですよ。でも狙い球を絞って何とか点になってよかった」。向上心の尽きない19歳が再び前を向いて走り始めた。

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2008年5月26日のニュース