打球直撃に負けず東浜投げぬいた

[ 2008年4月3日 06:00 ]

<天理・沖縄尚学>8回裏2死、下司(右)の打球を左ひざ付近に受け、跳ね上がる沖縄尚学・東浜

 【沖縄尚学4―2天理】エースはマウンドを守り抜いた。第80回選抜高校野球大会第12日、天理戦で5回から登板し、好投していた沖縄尚学の東浜だったが、8回2死から下司の強烈な打球を左ひざ内側に受けた。「足がなくなったかと思った」。ナインに抱えられてベンチに戻り、治療後に再登板。痛みは消えない中、140キロ台の直球を連発。好調天理打線を寄せ付けなかった。

 「骨折していても投げるつもりだった。ひざは腫れている。内出血しているかも。気持ちで抑えたので痛みは感じなかった」。気丈な右腕は試合後、笑顔を見せた。
 昨夏沖縄大会。2年生エースの東浜は準決勝の浦添商戦で両足けいれんで途中降板。試合中に救急車で運ばれ、チームは延長戦で敗れた。点滴を打った病院のベッドで悔し泣きし、治療後は学校のグラウンドで3年生の先輩に号泣して謝った。“最後までマウンドを守る”。固く誓った思いを大舞台で実践したエースに比嘉監督も「気持ちでよく投げてくれた。言葉にならないくらい、うれしいです」と称賛した。
 3日の準決勝、東洋大姫路戦の登板は微妙だが、その目は輝きを失っていない。頂点に輝いた9年前の再現へ。東浜はマウンドに上がるつもりだ。

続きを表示

2008年4月3日のニュース