沖縄尚学8回一気逆転!決勝へ

[ 2008年4月3日 15:57 ]

<東洋大姫路―沖縄尚学>1回裏沖縄尚学1死満塁、波照間の遊ゴロで三走伊古は本封。捕手的埜

 第80回選抜高校野球大会第13日は3日、甲子園球場で準決勝を行い、第2試合は沖縄尚学(沖縄)が東洋大姫路(兵庫)に4-2で逆転勝ちし、決勝に進出した。9年ぶり2度目の優勝を狙う沖縄尚学は、0―2の8回に嶺井の2点適時打などで一挙4点を奪い逆転した。

 ≪直訴の先発、逆転呼ぶ≫沖縄尚学のエース東浜は「うちは粘り強いんで、いつかは逆転してくれると信じていた。負ける気はしなかった」と満足感に浸った。
 前日の天理戦で打球を受けた左ひざは痛みがあったというが「どうしても投げたかったので、比嘉先生には『痛くない、投げます』と言った」。
 痛み止めを飲んでの投球。1回に先制打を許すなど8安打を浴びたが、2失点の踏ん張りが逆転を呼んだ。「何も考えずに気持ちだけで投げた。決勝も投げたい。大丈夫です」と意欲的だった。
 そして、マウンドを守るエースを救ったのは、2年生の女房役の一振りだった。
 ドラマは8回。2死一、三塁から沖縄尚学の4番・仲宗根が右前に運び、2回戦の7回以降28回連続無失点だった東洋大姫路の佐藤から、ようやく1点を返す。さらに代打の金城はボールを見極め、しぶとく四球を選んで満塁。三塁側アルプスの盛り上がりは最高潮に達した。
 続く嶺井が初球のカーブを右前にはじき返し、甲子園は歓声と悲鳴に包まれた。試合をひっくり返す2点適時打に「初球は振る癖がある。真っすぐを待っていたが、つい手が出ちゃった」と照れくさそうな笑みを浮かべた。
 嶺井は1点を先制された直後の1回2死満塁で凡退していた。だが佐藤の投球を見て「あんまり切れていない」とも感じていた。好機で打席が回ってくることに苦手意識があったが「燃えていた。巨さんが脚を痛めていたから」。前日の試合で左ひざに打球を受けながら、気迫の投球を続ける東浜の姿に奮い立った。
 終盤に見事な粘りを見せて逆転し、9年ぶりの決勝へ。比嘉監督は「(8回に)先頭打者が出て、もしかしてと思った。本当によく打ってくれた」と目を細めた。その一方で「優勝を意識したら駄目。一戦必勝でいきたい」と口元を引き締める。最後の試合に臨むチームに気負いは見当たらない。

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2008年4月3日のニュース