投げるだけじゃない!佐藤完封に先制打

[ 2008年4月3日 06:00 ]

<東洋大姫路・智弁和歌山>最後の打者を打ち取り東洋大姫路・佐藤はガッツポーズ

 第80回選抜高校野球大会第12日は2日、甲子園球場で準々決勝を行い、第1試合は東洋大姫路(兵庫)のエース佐藤翔太投手(3年)が、強打の智弁和歌山(和歌山)を6安打完封。2―0で快勝した。佐藤は2戦連続完封。第2試合は沖縄尚学(沖縄)が粘る天理(奈良)を継投で振り切り、99年に優勝して以来の4強進出を決めた。3日は準決勝2試合が行われる。

【試合結果


 【東洋大姫路2―0智弁和歌山】最後の打者を三振で締めた佐藤は左手を高々と突き上げた。強力打線が看板の智弁和歌山に三塁を踏ませず6安打完封。堂々の4強進出だ。
 「相手は強力打線の印象があるけど、重圧はなかった。近畿同士で負けられなかった」。エースは昨秋近畿王者の意地を口にした。
 直球が走った。自己最速にあと1キロに迫る143キロをマーク。3回1死一、二塁では構えが極端に低い3番・勝谷に「高めが弱い」と狙い通りの高めの直球で空振り三振に。続く主砲の坂口にも140キロで勝負を挑んで二飛。その直後に味方が先制。エースは大胆さと冷静さを失わずリードを守りきった。投げるだけではない。4番に座る佐藤は初回の第1打席で今大会初安打。3回2死一、二塁では左前に先制打を放つなど、投げて打って、まさに大車輪の活躍でチームをけん引した。
 今大会屈指の右腕と言われながら、初戦の一関学院戦では4四死球に一発も被弾した。試合後、疲労回復の酸素カプセルに入るため、神戸市内の治療院へ向かう道中も無言になるほどふさぎ込んだ。打たれてもムキにならずに、丁寧な投球を心掛けることで以降は2戦連続完封。3戦連続無失策のバックにも支えられ、連続無失点は21回に伸びた。
 同校03年以来5年ぶり4度目の4強入り。「まだ7、8割の出来。先輩に負けないよう2つ勝ちたい」と佐藤。初の春頂点へ大黒柱の視線は頂点を見据えている。

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2008年4月3日のニュース