抑えOK 林昌勇156キロで由伸斬り

[ 2008年3月30日 06:00 ]

<ヤクルト・巨人>9回から登板し、今季初セーブをあげた林昌勇

 【ヤクルト6―3巨人】ヤクルトは巨人を6―3で下し連勝。昨オフに主砲とエースを強奪された因縁の相手との開幕カードの勝ち越しを決めた。9回には新守護神の林昌勇(イム・チャンヨン)投手(31)がMAX156キロの速球で高橋由を三振に仕留めるなど反撃を断ち、来日初セーブをマーク。韓国からやってきたセーブ王は左太腿裏を痛めて離脱した五十嵐の穴を埋めるフル回転を誓った。

 高田ヤクルトの危機を韓国からやってきた“ヨン様”が救った。3点リードの9回。林昌勇は先頭の高橋由を140キロ台後半の直球で追い込むと、横手よりも球速が出るスリークオーターに“ギアチェンジ”。高めの155キロ、154キロでファウルさせ、最後は自己最速にあと1キロと迫る156キロの内角球で見逃し三振に斬った。
 「今は調子がすごくいい。きょうは少し寒かったけど、暑くなる6月ごろはもっと上がると思う。このペースなら40セーブできるんじゃないですか」と、さわやかに笑った。2死一塁でサムスン時代の同僚である李スンヨプを迎え、直球のサインに首を振って投げたスライダーが三塁内野安打に。だが、続くラミレスを三ゴロに仕留めて来日初セーブを挙げると、韓国通算168セーブ右腕は捕手の福川に日本語で「ゴメンナサイ」と繰り返した。
 前日の試合で最後を締めた五十嵐が左太腿裏肉離れで離脱。開幕2戦目でダブルストッパーの1人を失う非常事態となったが、林昌勇は「五十嵐さんが戻ってくるまで最善を尽くして頑張りたい」とフル回転宣言。高田監督は「五十嵐のケガ?まだ林昌勇がいる」と新守護神に信頼を寄せ、巨人からの開幕2連勝に「そりゃあ最高だね。もう1つ何とか勝ちにいきたい」と力を込めた。
 林昌勇と李スンヨプとの“英雄対決”を取材しようと、神宮球場には開幕直前から13社20人以上の韓国メディアが殺到。2日連続で勝利に貢献し、取材攻勢にあった。「アイシテル」という日本語をいち早く覚えたイケメン独身右腕は「まだ私生活は家で独りぼっちだから、球場に来るのが楽しいよ」と目を輝かせる。
 打線は昨年のエース、グライシンガーを攻略。30日の第3戦は国鉄時代の1958年以来、50年ぶりの開幕カード巨人戦3連勝がかかる。「自分のチームを守るために勝ちたい気持ちでいっぱい。3連投?大丈夫です」。グライシンガーと入れ替わりでやってきた韓流助っ人が、巨大戦力にその剛球を三たび見せつける。

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2008年3月30日のニュース