野茂 開幕メジャー消滅…最悪解雇も

[ 2008年3月30日 06:00 ]

3日ぶりに練習に参加し、キャッチボールする野茂

 ロイヤルズとマイナー契約している野茂英雄投手(39)の開幕メジャーが消滅した。ロ軍のトレイ・ヒルマン監督(45)は28日(日本時間29日)、野茂が痛めている右足付け根の治療に専念させる方針を決定。オープン戦最終戦となる29日のブ軍戦登板も回避した。今後はキャンプ地のアリゾナ州サプライズで治療をしながらシーズン中のメジャー昇格を目指すが、最悪の場合は解雇となる可能性も出てきた

 開幕メジャー昇格を目前にして、タイムアップの笛が鳴った。野茂の“戦い”は故障によって終わりを告げた。右足付け根の違和感を訴えたのが31日の開幕戦(タイガース)の6日前となる25日。シーズンの戦力を整えたい球団にとって、野茂の回復を待っている時間はなかった。
 この日は3日ぶりに全体練習に合流。15分ほどのストレッチに続いて約10分間のキャッチボール。痛がるそぶりは見せなかったが、トレーナーと言葉を交わす表情は険しかった。当初は29日の最終登板を楽観視していたヒルマン監督も「痛みがまだ残っているので治療してもらう」と方針転換。野茂は最終テストを受けることなく開幕メジャー争いから脱落した。
 オープン戦7試合で1勝0敗、防御率4・50。先発失格で中継ぎに転向したが、その後は3試合で防御率2・25と結果を残した。06年夏の右ひじ手術の影響も感じさせず、中1日登板もこなしていただけに、指揮官も「期待していないなら数週間前にとっくに切っていたよ」と肩を落とした。
 野茂は一夜明けた29日、クラブハウスで「開幕からみんなと一緒にやりたかった。(今後のことは)首脳陣が決めること。マウンドで痛みがなくなるまで頑張ってリハビリしようかなと思う」と、あくまで現役を続行しメジャー昇格を目指す意向を明かした。29日のうちにチームを離れ、キャンプ地サプライズで治療に専念。ヒルマン監督は「今後のメジャー昇格の可能性はある」と話しており、3Aオマハからシーズン中の昇格を目指すが、8月で40歳という年齢やマイナー契約という“契約の壁”もある。解雇という最悪の事態も含め、野茂がまたも厳しい立場に追い込まれた。

続きを表示

2008年3月30日のニュース