ラミレス４打点松坂救った岡島勝たせた

＜アスレチックス・レッドソックス１＞１０回２死一、二塁、逆転二塁打を放ったラミレス

　【レッドソックス６―５アスレチックス】日本人報道陣がごった返す一塁側通路をレッドソックスのラミレスは、大相撲の手刀を切って帰路に就いた。松坂の負けを消す同点打、そして岡島に白星をつける決勝打と２本の適時打で計４打点。さらに人生初のお立ち台での言葉で東京ドームのファンを一気にひきつけた。

　「アメリカから日本に来たのは素晴らしいプレーをお見せするためだ。とにかくワールドチャンピオンとしての誇り、プレーを見せたかった」

　２点を追う６回１死一、二塁。初球の１４５キロ直球を左翼線２点二塁打だ。そして延長１０回の５打席目。２死二塁で３番・オルティスが敬遠された。燃えないはずがない。カウント２―１からの１３８キロスライダーを左中間へフェンス直撃の勝ち越し２点二塁打だ。この試合でＭＶＰに輝き１００万円をゲットした４番は「ガソリン代に使うよ」とはしゃいだ。

　誰よりも早く球場に来る。観光気分に浮かれることなく、全体練習の２時間近く前から球場でバットを振り続ける。赤いバットがユニホームと重なるため使用できず、契約のＳＳＫから黒いバットを受け取っての試合だった。それでも「自分が使い慣れたバットだったらもっと飛んでいたかもね」と笑う。前夜は巨人のラミレスと会食し、日本のこの試合への注目度の高さを聞いていた。

　「日本のファンをガッカリさせるわけにはいかなかった。もう１試合も頑張るよ。でももう寿司は食べ過ぎてコリゴリだ」。試合中は喜怒哀楽を表に出さない。だがクラブハウスではちゃめっ気たっぷり。そんなギャップを持つ男が世界一軍団の４番に座っている。