木村 謹慎明け復帰登板は3回2失点

[ 2008年3月20日 06:00 ]

<東京ガス・ホンダ熊本>東京ガス・木村は510日ぶりの公式戦登板で、3イニングを2失点に抑えた

 全国社会人野球「東京スポニチ大会」1回戦は19日、2会場で6試合が行われた。裏金問題による1年間の対外禁止処分が解けた東京ガスのドラフト候補左腕・木村雄太投手(22)が、ホンダ熊本戦で復帰登板。3回を4安打2失点の内容で、チームも2―3で敗れた。また、同じくドラフト候補として注目を集める新日本石油ENEOS・田沢純一投手(21)は松下電器戦で、7回1/3を1失点に抑える力投を見せた。20日は1回戦1試合、2回戦5試合が行われる。

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 【東京ガス2-3ホンダ熊本】長く、そしてつらかった。マウンドに上がった木村は大きく深呼吸をしてから戦闘モードに入った。06年10月26日の日立製作所戦以来、510日ぶりの公式戦。球場には国内全12球団、約30人のスカウトが駆けつけた。

 「緊張した。それでも最後は自分の投球ができました。公式戦はやっぱり違いますね」
 0―1とリードされた7回から2番手で登板。いきなり2安打で2失点したが、続く2回は無失点で切り抜けた。直球の最速は137キロ止まり。それでも9回、最後の打者・藤野には伸びのある外角直球で見逃し三振に仕留め、今秋ドラフト候補の片りんを見せた。

 昨年3月9日に西武からの金銭授受が発覚し、同19日に日本野球連盟から1年間の謹慎処分を受けた。2月に処分が軽減され、今月1日から出場が可能となっていた。謹慎中はチームの雑用もこなし、この日が来るのを待っていた。自らの2失点が響き、チームは敗れたが「いろんな人に迷惑を掛けた。今後どうすればいいかをずっと考えていた。試合に出られたことをうれしく思う」と、一歩前に踏み出したことに喜びを見つけた。

 スタンドには当事者球団となった西武の鈴木編成部長も姿を見せ「白紙の状態で見に来た。今後も頑張ってもらいたい」とエールを送った。誰もが温かく見守った復活劇。田中監督は「まだいい状態ではない。これからです」と言った。1年間のみそぎを済ませ、若き左腕が自分の居場所に戻ってきた。

 ◆木村 雄太(きむら・ゆうた)1985年(昭60)5月21日、秋田県生まれの22歳。秋田経法大付では3年夏に県大会8強。04年に東京ガス入り。06年都市対抗に補強選手で出場。同年ドラフトで横浜から3巡目指名されたがロッテ入りを希望し入団拒否。1メートル89、86キロ。左投げ左打ち。

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2008年3月20日のニュース