ノムさん 開幕3連勝へ杉内攻略秘策!

[ 2008年3月20日 06:00 ]

テレビマイクを持ち上げる野村監督

 ともに野球人生の集大成の1年を迎えた楽天・野村克也監督(72)とソフトバンク・王貞治監督(67)が、20日の開幕戦(ヤフードーム)で激突する。19日にナインとともに福岡入りした野村監督は相手の先発・杉内攻略に自信を見せ、開幕3連勝に色気。王監督もキャンプから収集したデータをフル活用し、昨年負け越した難敵の撃破を誓った。

 おぼろげながらもソフトバンク攻略のシルエットは浮かんでいた。「開幕って感じはせんな」とは口ばかり。野村監督は開幕カードの展望を慎重に、かつ期待を持って言葉を選んでこう語った。

 「本音では3連敗しなきゃいいって思ってる。最低1勝すればってな。でも、その1勝があした出ればいい。そうすれば(3連敗の)逆も可能性はある。弱いチームは先手必勝や」

 3年契約の最終年。仙台で練習を行った前日は「勝ち越して本拠地に戻ってきたい」と開幕2カードでの勝ち越しに希望を燃やした。だが、敵地に入ったこの日はいつになく慎重。「スタートダッシュは夢であって現実はそうもいかない。去年もおととしも出だしでつまずいた」と話したが、自信がないわけではない。ソフトバンクには昨年14勝10敗と勝ち越し。20日先発の岩隈で“先手必勝”を飾れば、2戦目の先発は昨年ソフトバンク戦5勝1敗の田中が控える。3戦目は成長著しい朝井。3連勝も可能なローテだ。先陣を切る岩隈はブルペンには入らずキャッチボールなど軽めの練習で調整し、引き締まった表情で「責任を持って投げ抜きたい」と決意表明。田中も「チームの勝ちに貢献したい」と意気込んだ。

 指揮官も自ら動いた。練習後は野手ミーティングに参加。「杉内なあ。ひとつ秘策があるんだよ」とソフトバンクの開幕投手への対策をナインに伝授した。楽天戦通算11勝3敗と現役投手では最多白星を献上する左腕。指揮官は内容を「それは秘密です!桂小金治や」と1980年代に大ヒットしたテレビ番組のタイトルでけむに巻き、橋上ヘッドコーチは「ここでみんなに言ったら秘策じゃなくなる」と“かん口令”を敷いた。

 1954年のプロ入りから55年目の球春到来。72歳の指揮官はシルエットの向こうにある白星との「ご対面」を期待して「シー・ユー・トゥモロー」と球場を後にした。

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2008年3月20日のニュース