新球ズバズバ!野茂いきなりブルペン

[ 2008年2月14日 06:00 ]

キャンプ地入りした野茂は、いきなりブルペンで投げ込む

 ロイヤルズとマイナー契約を結んだ野茂英雄投手(39)がバッテリー集合日となった13日、サプライズ(米アリゾナ州)のキャンプ地で初練習を行った。午前8時に球団施設に姿を見せると、早速ブルペンに入り、38球を投げ込んだ。米国では延べ10球団目となる新天地。メジャー復帰をかけて過酷な戦いがいよいよ始まる。大リーグは14日(日本時間同日深夜)、ロイヤルズを含む8球団を皮切りに続々とキャンプインする。

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 強烈なデモンストレーションだった。キャンプインを翌日に控え、午前9時48分、野茂はブルペンに立った。マクルア投手コーチが見守る中、ブルペン捕手のダプリシアを相手に立ち投げ2球の後、座らせて38球。外角低めの直球を21球投じた後、カーブ3球、スライダー3球を投げ込んだ。
 驚きはここからだ。その後、チェンジアップを5球投じたのだ。05年のデビルレイズ時代までは野茂の球種は直球、カーブ、ツーシームと宝刀のフォークの4種類だったが、08年でメジャー昇格を果たすべくチェンジアップを磨いてきたもようだ。02、03年のドジャース時代に野茂と同僚だったダプリシア捕手は「あの時と変わらず素晴らしい。速球は88~91マイル(約142~146キロ)は出ていたように感じた。変化球はチェンジアップが特に素晴らしかった」と絶賛した。
 まだ球団関係者がほとんどいない午前8時に野茂はTシャツと短パンで姿を現した。髪は短く刈り込み、あごひげをたくわえていたが報道陣に「おはようございます」と話した後、すぐに目は真っすぐ前を向いた。8時30分にグラウンドに姿を見せると、5分間のランニング後にキャッチボール。いきなり宝刀のフォークも披露した。
 06年夏に右ひじを手術。その後は長いリハビリ生活を送ってきた。昨年10月20日にベネズエラのウインターリーグ、カラカスで551日ぶりの実戦、7試合に先発した。その間、左ふくらはぎの違和感で故障者リスト入りするなど、決して満足な成績は残せなかったが、昨季日本ハムで指揮を執ったヒルマン監督率いるロ軍がチャンスをくれた。05年を最後にメジャーから遠ざかっている野茂にとって米延べ10球団目となる新天地は最後のチャンスになるかもしれない。そんな決意でキャンプインを迎える。
 1月4日にロイヤルズとのマイナー契約が決まると、国内で黙々と調整を行ってきた。関係者によると、時には公園でキャッチボールをこなしたこともあったという。すべてはメジャー復帰のため。野茂の戦いが始まった。

 <薮田は溶け込んだ>薮田は12日、サプライズの球団施設で投手陣の特守に参加。エラーした選手は罰走を命じられ、罰走者は1人の選手を道連れに、2人でグラウンドを1周するというユニークな形で行われた。失策を犯したエース右腕のメッシュからは“相棒”に指名されるなどすっかりチームに溶け込んでいる様子。指揮官は「しっかりとコミュニケーションを取ろうとしている」と満足そうだった。

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2008年2月14日のニュース