ケンブリッジ 狙うはトラックのMVP!カリーTシャツで渡欧

[ 2016年7月12日 08:13 ]

成田空港からベルギー遠征に出発したケンブリッジ

 短距離界のMVPはオレだ。リオデジャネイロ五輪の陸上男子100メートル代表・ケンブリッジ飛鳥(23=ドーム)が11日、成田空港からベルギー遠征に出発した。6月の日本選手権を制した23歳は、米プロバスケットボール、NBAで2季連続MVPに輝いたステファン・カリー(28=ウォリアーズ)の顔がプリントされたTシャツを着て機上の人に。日本初の9秒台で、カリー級のインパクトを残す。

 意図的に選んだわけではなかった。NBAのスーパースターの顔と、MVPという文字がプリントされたTシャツを着て、ケンブリッジは成田空港で報道陣に対応。「特に(服に)意味はないですけど…」と苦笑いを浮かべた23歳は、「カリー選手は格好いいんで、こんな選手になりたい」と続けた。リオ五輪での目標は9秒台と決勝進出。実現すれば、日本短距離界では間違いなくMVPだ。

 2季連続でNBAのMVPに輝いたカリーはアンダーアーマーと契約。ケンブリッジが所属するドームは、アンダーアーマーの日本総代理店という縁がある。バスケットボールに精通しているわけではないが、カリーの活躍は知っている。12―13年シーズンに3点シュートの新記録を樹立すると、14~15、15~16年シーズンにさらに更新。「2年連続で記録も作っていて凄い」と目を輝かせた。

 リオ五輪前の実戦として、13日にリエージュで100メートル、16日にヒュースデンゾルダーで200メートルに出場する。14年のテキサス・リレー以来、約2年ぶりの海外遠征。「強い選手も出るだろうし、しっかり勝てるようにしたい。自己ベストも出したい。9秒台も狙ってはいるけど、リオで出したい」。自己ベストの10秒10を更新すれば、リエージュの大会記録(10秒09)はもちろん、9秒台も見えてくる。

 6月の日本選手権では山県、桐生を撃破して10秒16で日本一に。プロ野球・巨人の始球式、CMにも出演し、モデルにスカウトされたこともある甘いマスクで注目度は急上昇している。「あんまり気にしていないけど、いいことですよね。期待してもらえるのは、凄くうれしい」。もちろん、現時点ではカリーは雲の上の存在。いつかNBA最強の長距離砲のように輝くことを信じて、短距離界のニューヒーローは力強く疾走する。

 08年北京五輪銅メダル以来の表彰台の期待が懸かる400メートルリレーでは、ケンブリッジは“直線勝負”を希望した。「2走か4走、直線の方が向いているかなと思う」。3月の日本陸連の合宿では全ての走順で練習。「1走はちょっと難しいんじゃないですかね」と分析したが、「走れと言われればどこでも走ります。自分がどこを走るかより、勝てればいい」と話していた。

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2016年7月12日のニュース