丹羽 初の五輪!世界1位撃破、20年ぶり男子高校生代表

[ 2012年4月22日 06:00 ]

世界ランキング1位の馬龍(右)を破り、日本男子の五輪団体出場と初の五輪代表入りを決めた丹羽

卓球 五輪アジア予選第3日

(4月21日 香港)
 男子シングルスのトーナメントで世界ランキング19位の17歳、丹羽孝希(青森山田高)が五輪出場枠を懸けた決定戦で同1位の馬龍(中国)を4―2で破った。日本男子の五輪団体出場を決め、丹羽自身は団体要員として初の五輪代表入りを果たした。卓球男子で高校生が五輪代表になるのは92年バルセロナ五輪の仲村錦治郎(当時明徳義塾高)以来20年ぶり。

 いつも冷静な丹羽が珍しく感情を爆発させた。7位以内に入れば五輪出場が決まる今大会。最初の決定戦で世界1位の馬龍を破り五輪切符を手にすると、大の字に倒れ込んで大喜びした。落胆する相手とは対照的に「自分よりも相手の方が硬くて普段と違った。3―1になって勝てると思った」と大金星を興奮気味に振り返った。

 2月のアジア選手権では馬龍の強打に屈し、力勝負ではかなわないことを痛感した。宮崎監督は「世界一のピッチの速さをぶつけるしかない」と指示。チキータと呼ばれるバックハンドの攻撃的なレシーブで崩し、速攻を貫いた。「技術的に勝てる部分はチキータしかない。それを嫌がっていたので押していった」。第2、第3ゲームを連取して迎えた第4ゲームは10―6から追い付かれたが、再びチキータからバックでカウンターを決めて勝利を決定づけた。重圧のかかる五輪予選でミスを恐れない大胆さが、強豪撃破につながった。

 北海道・苫小牧出身。卓球経験者の父・孝司さんの影響で競技を始め、09年の世界選手権には史上最年少の14歳で代表入り。昨年11月の世界ジュニアでは日本人として2人目となる優勝も果たした。最大の武器は天性の反射神経による速攻。1月の全日本選手権を制した吉村真晴(当時野田学園高)らとロンドン五輪の“第3の男”を争い、その座をつかみ取った。団体の一員としてロンドンでのメダル獲得を目指す日本の若き天才は「中国も僕を注意する。研究されてからが勝負」と初の大舞台に向け、早くも気持ちを切り替えていた。

 ◆丹羽 孝希(にわ・こうき)男子シングルスで09年世界選手権個人戦に日本男子史上最年少の14歳で出場した。10年ユース五輪、11年世界ジュニア選手権で金メダル。今春の世界選手権団体戦で銅メダル。1学年上の姉、美里も卓球選手。青森山田高3年。1メートル62、52キロ。17歳。北海道出身。

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