「重圧に負けた」織田…転倒、転倒でまたも2位

[ 2010年12月12日 06:00 ]

男子フリーで転倒する織田

 【GPファイナル】覇気なくうつむいた姿が、全てを物語っていた。SP首位だった織田は、フリーでチャンに逆転されて昨年に続いて2位。日本男子初となるファイナル制覇にあと一歩届かなかった。

 今季は3戦連続でSP1位に立ちながら、いずれもフリー最終滑走で転落。それだけに「まだまだ実力がないと痛感した。フリーでうまく滑れないことが課題。最終滑走に弱い。3試合の中ではきょうが一番集中していたけど…重圧に負けた。反省点がたくさんある」とショックを隠しきれなかった。
 「自分の中では跳んでいるつもりだった」と振り返った冒頭の4回転トーループで転倒すると、後半のダブルアクセルでも着氷後に転倒。2位は昨年に続き日本人最上位だが「昨年も2位で凄く悔しい」。しかもフリーでは小塚に3・67点差をつけられ「日本人1位といってもフリーは小塚君の方が良かったし、満足いく演技じゃなかった」と笑顔はなかった。
 4月に結婚し、10月1日には長男・信太朗くんが誕生。パパになったが、天然キャラは変わらない。北京に国内用の充電器を持ってきてしまったため、携帯電話が充電できず。前日(10日)、信太朗くんの写真を夫人が送信してくれたものの、ファイルを開こうとしたところで無念のバッテリー切れに陥った。自らのミスで愛息の顔を見ることはできず、肝心の演技でもミスが目立った。
 ただ、日本人最上位で表彰台を確保し、来年3月の世界選手権代表入りはほぼ確実にした。24日開幕の全日本選手権(長野)に向け、バーケル・コーチの拠点であるカナダではなく、関大でトレーニングに励む。万全を期して振付師に来日してもらい、プログラムに微修正を加えるという。「全日本ではもっといい演技ができるように頑張りたい」。天下統一を逃した戦国武将・織田信長の末裔(まつえい)は、失敗を引きずる暇もなく、悲願に向けての再スタートを切る。

 ▼優勝のパトリック・チャン とても満足している。今季は世界王者になることが目標。東京での世界選手権へ大きなステップになった。

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2010年12月12日のニュース