16歳「あんず」準V!急成長でロンドン名乗り

[ 2010年12月12日 06:00 ]

女子52キロ級決勝で西田(左)に敗れた山本

 柔道グランドスラム東京大会第1日(11日 東京体育館)でシニア国際大会初出場となった女子52キロ級の山本杏=あんず=(16=桐蔭学園高)が世界3位のナタリア・クズティナ(ロシア)ら強豪を次々と撃破し、決勝に進出。今年の世界女王・西田優香(24=了徳寺学園職)に惜敗したものの、日本柔道界のホープとして名乗りを上げた。同48キロ級では昨年の世界選手権女王・福見友子(25=了徳寺学園職)が連覇を達成するなど、初日行われた全4階級を日本勢が制した。

 トレードマークの短髪「あんず刈り」を右手でさすりながら、満足そうな表情を浮かべた。「思い切った柔道ができた」。16歳の山本が世界3位のクズティナに背負い投げで一本勝ちし、勢いに乗る。準々決勝は48キロ級の元世界女王ベルモイ(キューバ)も撃破。決勝こそ有効を奪われ敗れたが、全日本女子の園田隆二監督は「きょうの収穫は杏が(強豪に)勝ったこと」と言い切った。
 白帯だった昨年の講道館杯で3位。その帯の色が国際ルールに抵触し、この大会には出場できなかった。それから1年。今年は世界ジュニアを制し、講道館杯も優勝した。足技だけでなく、担ぎ技に切れがある逸材は、国際連盟のシリーズ最高峰の舞台で成長ぶりをアピールした。
 まだ体も成長中で減量の負担が大きいため、来春にも57キロ級に転向する。「しっかり食べてムキムキになったら、もっといい柔道ができる」。同級には世界女王の松本薫(23=フォーリーフジャパン)ら強豪がいる。だが、この1年の急成長を考えれば、12年ロンドン五輪前年の転向でも十分可能性はある。「夢は(体重無差別の)全日本女子選手権で優勝すること」。ホープのスケールは計り知れない。

 ▼西田優香 周囲が「山本が勝ったらおもしろい」とか期待しているのが伝わってきたので、決勝は勝敗にこだわってしまった。悔いが残る試合だし、自分にがっかりした。(悔し涙で)

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2010年12月12日のニュース