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こだわり旬の旅

【神戸・大阪・京都】神戸の食い倒れ!?和牛からデザートまで食満喫

[ 2016年3月4日 05:30 ]

伊藤グリルの名物・ビーフシチュー。柔らかくてほおがとろけそう
Photo By スポニチ

 全国の自治体が力を入れる広域観光。その原点ともいうべきキャンペーンになったJR西日本の「三都物語」の舞台、神戸(兵庫県)、大阪(大阪府)、京都(京都府)の3市を訪ねた。依然元気な「食と人」を中心に、菓子作り体験、クルーズ、禅寺参拝など幅広い観光を満喫。同キャンペーンから20年余、時折雪が舞う“冬の三都”から熱~いパワーをもらった。

 「食い倒れの街」とは大阪を表現した言葉だが、お隣・神戸も負けていなかった。

 JR・阪神元町駅から徒歩3分の南京町にある「伊藤グリル」。1923年(大12)創業の洋食の老舗で、売り物はビーフシチューと同店が発祥といわれる神戸牛の炭焼きステーキ。ランチで黒毛和牛のビーフシチュー(サラダ、スープ、パン、ドリンク付税別2800円)を味わったが、コクのある濃厚なデミグラスソースが絡んだ肉は弾力があり、口の中でふわりと溶けていくよう。

 シチューによく合ったのがパン。隣の三ノ宮駅から徒歩10分の製造元「サ・マーシュ」を訪ねると、店内に並んだ約100種のパンの前には仕切りのバーが設けられ、店員に取ってもらうシステム。パン作り33年というオーナーシェフ・西川功晃さん(53)の「派手になったパンをシンプルに戻すには客とのコミュニケーションしかない」との考えから生まれた。自信作という米粉25%の「モアティエ」はモッチリした食感で、西川さんは「日本を代表するパンにしたい」と意気込む。

 パンとくればコーヒーということで、元町駅に戻り徒歩3分の日本初のコーヒー店「放香堂珈琲店」へ。天保年間(1830~44年)創業の宇治茶専門店「放香堂本店」が昨年10月、店舗横に復活させたもので、看板メニューは1878年(明11)に提供を始めた「復刻ブレンド」(カップ2杯分入りのポットで税込630円)。茶葉を輸出した船でインド産のコーヒー豆を持ち帰ったのが始まりといい、復刻版は深煎りの同国産豆を特注の石臼でひき、フレンチプレスでコーヒーを抽出するのが特徴だ。

 洋ものが続いた後は近くの、ゴーフルで知られる「神戸風月堂」で2個の和菓子作り(10人以上で1人3000円から、要予約)に挑戦。夜は来年、開港150年を迎える神戸港のメリケンパーク(元町駅から徒歩20分)から「ルミナス神戸2」(4778トン、定員1000人)で「明石海峡エレガント・ベイクルーズ」(乗船料税込3240円)を体験。船内で黒毛和牛ステーキがメーンの「ふらんす懐石コース」(税込6480円)を楽しんだが、レインボー色に輝く明石海峡大橋など幻想的な夜景が何よりのごちそうだった。

 ▽行かれる方へ 車は阪神高速神戸線京橋ICから5分。問い合わせは伊藤グリル=(電)078(331)2818、サ・マーシュ=(電)同(763)1111、放香堂本店=(電)同(321)5454、神戸風月堂=(電)同(321)5555、ルミナスクルーズ=(電)同(333)8414。

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