藤井正弘の血統トピック

世界的爆走に期待「ディープ×キャット配合」

[ 2016年6月2日 05:30 ]

 ドバイターフでG1初制覇を果たしたリアルスティールは帰国第1戦に安田記念を選んだ。前年の菊花賞2着馬の参戦は92年イブキマイカグラ(11着)以来24年ぶりのレアケースだが、血統的には全く違和感がない。

 父のディープインパクトにとって初の非世代限定G1勝ち馬となったのは、5年前のこのレースを快勝した初年度産駒のリアルインパクト。同じく初年度産駒のダノンシャークも5歳時に小差3着に入った。昨年、モーリスに首差まで迫ったヴァンセンヌも父の産駒。過去5年で3頭の産駒が馬券に絡んだ種牡馬はほかにいない。G1級マイラーの供給源としてもこの父は別格的存在だ。

 3代母ミエスクは英、仏1000ギニー、BCマイルなどG110勝を挙げたマイルの女傑。母としても仏2000ギニー馬キングマンボ、仏1000ギニー馬イーストオブザムーンを生み、リアルスティールと同じひ孫の代からは仏2000ギニーとBCマイルを制したカラコンティーが出ている。歴史的名牝の強力なマイル志向は、代を経ても損なわれていない。

 5月24日のイスパーン賞では、同じ「母の父ストームキャット」のエイシンヒカリが世界チャンピオン級の大パフォーマンスをやってのけた。今週末は東京コースで“ディープ・キャット配合”の爆発力を目の当たりにすることになりそうだ。

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