藤井正弘の血統トピック

マカヒキ パンドラのように東京2400メートルで能力全開

[ 2016年5月26日 05:30 ]

 マカヒキは父のディープインパクトだけでなく、母のウィキウィキのオーナーでもあった金子真人氏の実質的な自家生産馬。ちなみに金子氏の法人馬主名義である金子真人ホールディングスは、今回のダービーにイモータル、プロディガルサン、マウントロブソン、そしてマカヒキの4頭出しで臨むことになる。それぞれに所属厩舎は異なるのだが、戦略的な共闘が成立するのは必定。“軍団”の大将格であるマカヒキには、相応のアドバンテージを見込んでおく必要がある。

 3代母ヌメラリアはアルゼンチン1000ギニー馬で、祖母リアルナンバーは同じくアルゼンチンのG1フィルベルトレレナ大賞典(ダート1600メートル)勝ち馬。マカヒキの牝系には、異境の地で独自の発展を遂げた血脈ならではの生命力と環境適応能力が息づく。全姉ウリウリはディープインパクト産駒で初めての1200メートル重賞勝ち馬だが、弟の方は全く異質のクラシックタイプに出た。この遺伝的な可動域の大きさこそ、南米血統の神髄ともいえるだろう。

 父ディープインパクト×母の父フレンチデピュティの組み合わせはウリウリ、マカヒキ姉弟の他にも3頭のグレード勝ち馬が出るニックスで、その中の出世頭が昨秋のジャパンCを制したショウナンパンドラ。配合的にも東京2400メートルのG1で能力全開の公算大だ。(サラブレッド血統センター)

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