藤井正弘の血統トピック

「名スプリンター」中距離の大物輩出も

[ 2014年8月20日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介 キンシャサノキセキ】2003年生まれ 鹿毛 オーストラリア産 父フジキセキ、母ケルトシャーン(母の父プレザントコロニー) 中央31戦12勝 主な勝ち鞍は高松宮記念(2回)、阪神C(2回)、スワンS、オーシャンS、函館スプリントS 2歳産駒91頭。

 南半球産の日本調教馬では1956年秋の天皇賞を制したミッドファーム以来のG1級ウイナー。フジキセキがシャトル先のオーストラリアで送り出した産駒で、9月24日生まれという北半球暦では半年の遅生まれのハンデを克服して3歳1月に早々とオープン特別を勝ち、以後8歳春まで短距離~マイル部門の第一線で息長く活躍した。

 史上初の高松宮記念連覇は7歳時と8歳時。ラストランの8歳時も2着サンカルロに1馬身1/4差という完勝で、紛れもない短距離部門の“現役王者”だったが、1歳年長のカネヒキリともども、前年限りで実質的に種牡馬を引退した父フジキセキの地盤を引き継ぐ形となった。

 豪州産の同期からはドバイシーマクラシックを勝ったサンクラシークが出ており、シャトルサイヤーとしてのフジキセキの当たり年だったといえる。競走生活の後半に見せた驚くべき成長力は、単に南半球産によるタイムラグだけではなく、3100メートルの仏G1ロイヤルオーク賞を勝った3代母レイディベリーに端を発する母系のスタミナ血脈のたまものだろう。種牡馬としては、むしろ自身が未経験だった中距離以上のジャンルで大物を出す可能性がある。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る