藤井正弘の血統トピック

「砂のディープ」復元力も常識破り

[ 2014年8月13日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介 カネヒキリ】2002年生まれ 栗毛 早来産 父フジキセキ、母ライフアウトゼア(母の父デピュティミニスター) 中央・地方・UAEで23戦12勝 主な勝ち鞍はジャパンCダート(2回)、フェブラリーS、東京大賞典、ジャパンダートダービー、川崎記念、ダービーグランプリ 2歳産駒99頭。

 牡馬が出走可能な3歳ダートグレードを圧勝の連続で総ナメ。“砂のディープインパクト”と言われ、同じ勝負服で同期の3冠馬になぞらえられたダートの傑物。ジャパンCダートではレコードで古馬を一蹴するなど、3歳秋にして国内最強の座に上り詰めた。

 日本のエースとしてドバイワールドCに参戦(4着)した4歳時に屈腱炎を発症し、2年以上の休養を余儀なくさせられたものの、6歳秋に奇跡的にカムバック。3年ぶり2度目のジャパンCダート優勝を果たし、これまた“中2年”という空前絶後のインターバルでJRA賞最優秀ダートホースのタイトルを手に入れた。規格外の身体能力だけでなく、心身両面で示した復元力も日本産サラブレッドの常識を覆すものだったといえる。

 種牡馬フジキセキの血統に潜在するスタミナ資質は、最終世代のイスラボニータの登場を待つまでもなく、この馬によって実証されていた。ちなみに同世代のもう1頭のダート王・ヴァーミリアンとは、首差の激戦を制した東京大賞典など5度の対戦で全て先着。種牡馬としても、ことダート部門に関しては譲れないところだろう。(サラブレッド血統センター)

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