藤井正弘の血統トピック

エピファが狙う初の母子海外G1勝利

[ 2014年4月23日 05:30 ]

 今週末は国内のG1ブランクを埋めるように行われるG1クイーンエリザベス2世C(27日、香港・シャティン競馬場)にエピファネイア、アンコイルドの日本調教馬2頭が出走する。連覇を狙うレーティング最上位のミリタリーアタック、昨年の香港Cでトウケイヘイローを差し切ったアキードモフィードなどの強力地元勢に加え、ドバイデューティフリーで2着に入った南アフリカのウェルキンゲトリクスも参戦予定。“世界チャンピオン”ジャスタウェイへのトップコンテンダー決定戦の趣である。

 昨年の菊花賞馬エピファネイアが春の天皇賞ではなく、こちらに照準を合わせたのは人的背景からも血統背景からも納得がいく。管理する角居師は2年前の優勝馬ルーラーシップも手掛けた海外遠征マイスターであり、鞍上の福永騎手にとってもエイシンプレストンで02、03年と連覇を果たしている得意の舞台。そして、その角居師に管理されて福永騎手が手綱を取った母のシーザリオは、05年のアメリカンオークスで日本産牝馬として初めての海外G1制覇を果たした馬である。アウェーでの戦術を知り尽くしたチームによる極めて合理的な路線選択だ。

 日本調教馬による海外Gレースの2代制覇はステイゴールド&オルフェーヴル、ハーツクライ&ジャスタウェイ父子によって実現されているが、“母子2代”への挑戦は今回のエピファネイアが初めて。難度の高さは言うまでもないが、快挙達成の目は十分にある。

(サラブレッド血統センター)

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