藤井正弘の血統トピック

コパノリッキーが“買えた”理由とは…

[ 2014年2月26日 05:30 ]

 単勝配当ではG1史上第2位となる2万7210円のロングショットを決めたフェブラリーSのコパノリッキー。10年のエスポワールシチー以来、2度目の父子制覇によって先週の当コラムで触れたフェブラリーSの血統ジンクスも覆されることとなったのだが、実はこの馬にも血統的な買い材料はあった。ゴールドアリュール産駒の“法則”といってもいいだろう。後付けのそしりを恐れずに書き残しておきたい。

 サンデーサイレンス産駒で唯一のダートG1馬であるゴールドアリュールは、種牡馬としてコパノリッキーの他に5頭のダートグレード勝ち馬を出していた。フェブラリーSなどG1・9勝を挙げた前記エスポワールシチー、JBCクラシック、東京大賞典などG1・6勝を含むダートグレード19勝のスマートファルコン、南部杯勝ちのオーロマイスター、ジャパンダートダービー勝ちのクリソライトと、そのうち4頭まではG1ウイナー。残る1頭は2年前のフェブラリーSで2着入線したG3・3勝のシルクフォーチュンだった。要するに父ゴールドアリュールのダート馬は、重賞級なら即G1級の能力が保証されていたというわけだ。

 ちなみにこの5頭のダートG1初戦の成績は【2・1・1・1】。複勝率は8割で、唯一の馬券圏外もエスポワールシチーの0秒2差4着(09年フェブラリーS)。「ダートG1初挑戦のゴールドアリュール産駒」は、多少無理筋でも目をつぶって狙う手だったのである。

(サラブレッド血統センター)

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