藤井正弘の血統トピック

父ダイワメジャーの将来占う

[ 2012年12月5日 06:00 ]

 ジャパンCダートの結果を受け、総合リーディングはディープインパクトの初戴冠が事実上確定した。一方、2歳リーディングはまだ予断を許さない。2日終了現在のトップは、獲得賞金3億4400万8000円のディープインパクト。これに約3400万円差で続くのがダイワメジャーで、昨年同様のマッチレース状態のまま、2歳G1シリーズにもつれ込んでいる。

 今週の阪神JFのエントリーは、双方が2頭プラス抽選待ち2頭という互角の戦力構成。追う立場のダイワメジャーにとっては正念場だろう。1着を取れば即逆転、最低でもディープインパクト以上の賞金を加算しておきたい。 

 未勝利→芙蓉Sと連勝中のサンブルエミューズは祖母が桜花賞馬キョウエイマーチ。母の父フレンチデピュティは3年前のこのレースの2着馬アニメイトバイオと共通する。G1ステージでも格負けしない底力が認められる牝系で、コースが替わっても切れ味は不変のはずだ。ファンタジーS4着のプリンセスジャックは、京都金杯、関屋記念のマイル重賞2鞍を含むG3・3勝のサイドワインダーの半妹。母のゴールデンジャックは牝馬2冠のトライアル重賞を完全制覇してオークスで2着に入った。こちらの母系も相応に厚みがある。 

 阪神コースが改修された06年以降の優勝馬の父はタニノギムレット、ジャングルポケット、スペシャルウィーク、キングカメハメハ、アグネスタキオン、ディープインパクト。5頭まではダービー馬で、唯一の例外アグネスタキオンはダービー馬(アグネスフライト)の全弟にしてダービーサイヤー(08年ディープスカイ)だった。1600メートルでありながら、実質は2400メートル級の総合力が問われるレースといえる。種牡馬ダイワメジャーにとっては2歳リーディングだけでなく、近い将来の2000メートル超部門進出への展望を開く重要な一戦でもある。(サラブレッド血統センター)

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