藤井正弘の血統トピック

【NHKマイルC】「血中濃度」高いマウント

[ 2012年5月2日 06:00 ]

 第1回(96年)で父デインヒルの外国産馬ツクバシンフォニーとゼネラリストが2、3着を占めて以来、NHKマイルCでは周期的に同じ種牡馬の子がペアで馬券に絡んできた。01年のフレンチデピュティ(1着クロフネ、2着グラスエイコウオー)、06年のフジキセキ(2着ファイングレイン、3着キンシャサノキセキ)、07年のキングヘイロー(2着ローレルゲレイロ、3着ムラマサノヨートー)、そして昨年のディープインパクト(2着コティリオン、3着リアルインパクト)。「2頭出しは人気薄を買え」というのは厩舎やオーナーだけでなく血統面にも適用可能な競馬格言だが、どうやらこのレースに関しては単純明快に種牡馬単位の「大人買い」が正解のようでもある。

 今回、複数の産駒が出走可能ラインに届いている種牡馬はダイワメジャー(オリービン、カレンブラックヒル、メジャーアスリート)とアドマイヤムーン(セイクレットレーヴ、レオアクティブ)の2頭。どちらも現3歳が初世代となる昨年のルーキーサイヤーだ。トライアルのニュージーランドTはカレンブラックヒルが勝ち、セイクレットレーヴが2着だったが、本番ではそれぞれが“相方”を連れてくる可能性を見込んでおきたい。 

 過去に血統的ペア馬券を成立させた種牡馬は、クロフネの後追いで輸入されたフレンチデピュティが07年の優勝馬ピンクカメオの父となり、フジキセキは10年の覇者ダノンシャンティを出している。昨年2、3着を占めたディープインパクトの産駒も当然ながら要チェック。マウントシャスタは母の父がフレンチデピュティだから、極めて「血中NHKマイルC濃度」の高い配合といえる。初距離、初コースにも不安はなく、むしろ戦力アップの可能性大だ。(サラブレッド血統センター)

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