藤井正弘の血統トピック

トニービン、秋のG1“連チャン中”

[ 2011年11月2日 06:00 ]

 1分20秒2、1分32秒0、1分46秒7…順に今年の京王杯SC、安田記念、毎日王冠の勝ち時計である。今回の天皇賞・秋で記録されたラップタイムは1400メートル1分20秒3→1600メートル1分32秒2→1800メートル1分44秒3。1600メートルの時点では逃げるシルポートを後続馬群がのみ込みにかかっていた。2000メートル1分56秒1の大レコードは、道中に重賞3つ分の負荷が凝縮された消耗戦の副産物でもあった。

 勝ったトーセンジョーダンは2年前の秋の天皇賞馬カンパニーのいとこにあたる。母馬同士が全姉妹なので血統表の下半分は同じ。さらに父系祖父と父の母の父系が共通する血統構成は、“4分の3兄弟以上全兄弟未満”と言えるほど酷似しているのだが、トーセンジョーダンの方は本来、もう少し長い距離に適性ありというのが個人的な見立てだった。結果として上位を占めたのは昨年の有馬記念の2~5着馬。2000メートル+αの持久力が問われたことの証明だろう。

 トーセンジョーダンの父ジャングルポケットは、秋華賞のアヴェンチュラに次いで今秋のG1・2勝目。その父トニービンはスプリンターズSのカレンチャン、南部杯のトランセンド、そして菊花賞2着ウインバリアシオンの父ハーツクライの「母の父」でもあった。ちなみにあす3日のJBCデーには、トランセンドに加えて新設のレディスクラシックにも「母の父トニービン」のウェディングフジコが出走予定。JRAは中休みの今週も“G1のトニービン”の勢いは続きそうだ。(サラブレッド血統センター)

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