藤井正弘の血統トピック

【大阪杯】エフフォーリア&ジャックドール ロベルト系歴史的ワンツー

[ 2022年3月30日 05:30 ]

 今年の大阪杯で人気を二分するエフフォーリアとジャックドールは、どちらもさかのぼると共通の父祖にたどりつく。1969年生まれの米国産馬ロベルト。第193代英ダービー馬である。

 ベンソン&ヘッジズゴールドCでは当時15連勝中のブリガディアジェラードに土をつけるなど、現役時にアンチヒーローとして名をはせたロベルトは、種牡馬としても野党的な存在感を放った。日本では後継のリアルシャダイがノーザンテーストの長期政権に終止符を打ち、同じく後継のブライアンズタイムは1歳下のサンデーサイレンス全盛期に唯一の宿敵として対峙(たいじ)した。最強の抵抗勢力という属性は代を経ても確実に継承されている。

 エフフォーリアの父系祖父シンボリクリスエスはロベルト後継クリスエス産駒で、ジャックドールの3代父グラスワンダーは同じくロベルト後継のシルヴァーホーク産駒。有馬記念連覇という共通項でもくくることができる(外)の名馬は、それぞれに遺伝面でも勝負強さを発揮し、内国産父系の起点となった。ちなみにロベルト系日本産馬による古馬芝G1ワンツーは、95年天皇賞・春で1~3着を独占したリアルシャダイ産駒のケース(注)があるが、異なる種牡馬の産駒ではまだ実現していない。今週末は日本の血統史に新たな一ページが書き加えられることになるのかもしれない。(サラブレッド血統センター)

 ※注 1着ライスシャワー、2着ステージチャンプ、3着ハギノリアルキング。ちなみに7着アルゼンチンタンゴ、8着ダイイチジョイフルもリアルシャダイ産駒。

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