藤井正弘の血統トピック

不振ディープ産駒“進化”へ巻き返し注目

[ 2017年7月5日 05:30 ]

 先週のCBC賞は2番人気シャイニングレイが大外一気の強襲を決め、2歳時のホープフルS以来、2年半ぶりの重賞タイトルを手に入れた。ディープインパクト産駒の非世代限定1200メートル重賞勝ちは2年前のCBC賞のウリウリ、同年京阪杯のサトノルパン、16年キーンランドCのブランボヌールに続いて通算4勝目。スプリンターとして再生されたかつてのクラシック候補は、種牡馬入りしたミッキーアイルに代わって父の“G1コンプリート”を担う強力な手駒となりそうだ。

 さて、函館メインの巴賞では2歳王者サトノアレスが古馬を一蹴し、ラジオNIKKEI賞でもセダブリランテスが孫世代初の重賞勝ちと、後半戦開幕週に存在感を示した種牡馬ディープインパクトだが、統計的に見ると今年上半期は明らかなスランプ状態だった。先週末の固め打ちでようやく30億円を突破した獲得賞金は昨年同時期との比較で9億円減。前半戦終了時点で30億円に届いていなかったのは、6歳上の世代が不在だった13年以来のことである。

 サンデーサイレンスは、ルーキーイヤーの94年から没後3年目の05年まで12年連続で年間獲得賞金の自己記録を更新した。ディープインパクトは現在のペースでいけば、産駒デビュー8年目にして“進化”に歯止めがかかることになる。後半戦の巻き返しに注目しよう。(サラブレッド血統センター)

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