西岡徳馬が語る「勝新伝説」　芸能界を揺るがせた、あの逮捕劇の裏側で奔走した名演出家

西岡徳馬
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　俳優の西岡徳馬（76）が24日までに更新されたYouTubeチャンネル「丈熱BAR」にゲスト出演。昭和の名優、勝新太郎さん（1997年死去）が起こした「あの事件」にまつわるエピソードを披露した。

　「東京ラブストーリー」や「極道の妻たち」シリーズなど、テレビ、映画で幅広く活躍する個性派俳優のトーク4回目。西岡自ら「あの勝さんが捕まったじゃん」と切り出し、“禁断のテーマ”について語りだした。

　事件が起きたのは1990年1月16日。ハワイのホノルル空港から帰国しようとした勝さんが、下着の中にマリファナとコカインを所持したとして現行犯逮捕。会見で「もうパンツは履かないようにする」との“迷言”を残し、懲役2年6カ月、執行猶予4年の実刑判決を受け、当時の芸能界に激震が走った。

　西岡はそのとき、つかこうへいさん（2010年死去）作、戯曲の舞台「幕末純情伝」に出演中で、東北公演の初日に一報を聞いた。驚きを隠せず、上野駅に向かったところ、駅につかさんの姿が…。「オレ、これから（公演でなく）キリンビールに行かなきゃいけないんだよ」というつかさんに事情を聞くと、とんでもない事実が判明した。

　実はヒット商品「ラガービール」のCMをつかさんが作・演出、勝さんが父親役で撮影。「勝さんだけは勘弁してくれ。何かあったら困るから」という本社に対し、つかさんが「何かあったら、オレが責任を取るから」とゴリ押しして決まったキャスティングだった。「（テレビで初めて）コマーシャルをやった次の日だから（事件発覚が）。1日目で…。何億円もかけたのに」と西岡。一瞬で「お蔵入り」になった悲劇だった。

　つかさんが謝罪のため奔走していたため、西岡は代役として舞台挨拶などをこなしたという。波紋は思わぬところにも広がっていた。