9歳9カ月の藤田初段、66歳差対決制して囲碁の公式戦最年少勝利!ご褒美は鬼ごっこ

[ 2023年1月31日 15:18 ]

牛窪義高九段(右)からプロ初勝利を挙げた後、取材に応じる藤田怜央初段
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 囲碁の最年少棋士・藤田怜央初段(9)が31日、大阪・関西棋院で第49期名人戦予選Cの対局に臨み、202手で牛窪義高九段(75)に白番中押し勝ちした。藤田はプロ4戦目で初勝利。19年7月、仲邑菫初段が10歳4カ月で挙げた国内の公式戦勝利年少記録を9歳9カ月で7カ月短縮した。

 昨年10月のデビュー戦以来3連敗中だった藤田は終局後の取材に「うれしい」と語った。対局内容については「難しい碁だった」とはにかんだ。

 対戦相手を務めた牛窪は関西棋院の棋士会長を12年から務める大ベテラン。「普通、子供さんだと、思い切って勝負にくる。藤田さんは息長く辛抱し、ミスを捉える。いい大人が打つよう」と年齢に似合わない老かいさを物語った。66歳差の記録的白星を献上し、「負けて悔しいがこれで盛り上がってくれる。一番望むのはタイトル保持者」と将来の飛躍を期待した。

 勝利の報告を受け、関西棋院に駆けつけた父の陽彦さん(42)は「入段よりうれしい」と感極まった表情を見せた。デビュー戦での敗退後、藤田は泣いていたと振り返る。2戦目以降落ち込むことはなくなったそうで、師匠の星川拓海五段(39)によれば、1月17日の3戦目での敗退後、藤田から大好きな鬼ごっこをせがまれ、近くの中之島公園で「死ぬほど走らされた」という。碁盤を離れれば活発な小学3年生からは、勝利のご褒美に再び鬼ごっこの約束をしたそうで、「今から一番ハードな仕事が待っている」と師弟で笑い合った。

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2023年1月31日のニュース