シーナ&ロケッツ 「めんたいロック」元祖 日本語歌詞と攻撃的ビートで人気

[ 2023年1月31日 05:30 ]

「シーナ&ロケッツ」の左からシーナさん、鮎川誠さん、奈良敏博、川嶋一秀
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 ロックバンド「シーナ&ロケッツ」のギタリストでミュージシャンの鮎川誠(あゆかわ・まこと)さんが29日午前5時47分、膵臓(すいぞう)がんのため都内の自宅で死去した。74歳。福岡県出身。2月4日に東京・下北沢の森巖寺で通夜・葬儀を兼ねた「ロック葬」を執り行い、同5日に家族のみで告別式を営む。喪主はモデルで長女の鮎川陽子(ようこ)。2015年に最愛の妻シーナさん(享年61)に先立たれたが、遺志を継いで「シナロケ」の活動を続けた。

 70年代に起こった「日本語ロック」の潮流の中で、当時サンハウスとして活動していた鮎川さんは「日本のリバプール」と言われた博多のロックシーンをけん引した。チューリップ、海援隊らフォークの全盛期。直球の日本語で歌う歌詞と攻撃的な速いビートが人気を集めた。福岡の多くのバンドがサンハウスに憧れ、本拠地であったロック喫茶「ぱわぁはうす」のステージを目指した。これが80年代の本格的な「めんたいロック」のムーブメントにつながった。「めんたいロック」の元祖と位置づけられたサンハウスは、地方都市が新しい音楽の発信地として注目されるきっかけをつくったと言える。

 子供の頃から洋楽に触れて育ち、中3で熱狂したのがビートルズ。「自分たちで作った歌を自分たちのスタイルで歌う」という鮎川さんの日本語ロックは、ビートルズが原点だった。また、ロックに関しては音楽専門家並みの知識を持ち、研究家としての顔もあった。いつまでも新しい音への探究心を持ち続けた。

 ▽めんたいロック 80年代に、博多を中心にロックバンドが続出。一大ムーブメントを巻き起こした。シーナ&ロケッツのほかに、ザ・モッズ、ザ・ルースターズ、陣内孝則(64)のザ・ロッカーズ、石橋凌(66)が在籍したARBら。

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2023年1月31日のニュース