「どうする家康」イッセー尾形 無二の表現力と“入れ歯実験”ネット爆笑 鳥居忠吉“言語不明瞭”の舞台裏

[ 2023年1月12日 06:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」第1話。何を言っているのか聞き取りにくい鳥居忠吉(イッセー尾形)(C)NHK
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 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は今月8日、第1回が放送された。松平家筆頭家老・鳥居忠吉の言語不明瞭なキャラクター、一人芝居の第一人者・イッセー尾形(70)の怪演がインターネット上で反響。制作統括の磯智明チーフ・プロデューサー(CP)に起用理由や舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河“初出演”にして初主演となる。

 第1回は「どうする桶狭間」。駿河の今川義元(野村萬斎)に服属し、人質生活を送る松平次郎三郎(松本)。ある日、父の法要のため、三河・岡崎に里帰り。個性あふれる三河家臣団の出迎えに、次郎三郎は困惑した。

 とりわけ、松平家筆頭家老・鳥居忠吉(イッセー)は「此度のおひゃとげえり、ほほろよりお喜び申しゃげまひゅる」と何を言っているのか分からない。息子の鳥居元忠(音尾琢真)が「此度のお里帰り、心よりお喜び申し上げまする」と通訳。「この鳥居忠吉、ひょののお留守をひかと守り」は「この鳥居忠吉、殿のお留守をしかと守り」。忠吉の「いちいち言わんでええわ、彦右衛門」に、元忠は「父上は歯が抜けちまって、何言っとるか分かりゃせんから」と言い返した。

 SNS上には「イッセー尾形さんの字幕が面白すぎるw」「分からないのに分かる、イッセー尾形さん演じる老家老の言葉」「イッセー尾形さん今回の役も最高だったw出てきた瞬間に爆笑してしまって、今川義元の討ち死にを伝えてるのに、その時も爆笑してしまった。常に怪演して爪あと残してくの、流石すぎだわ」などの声が続出。視聴者の爆笑と絶賛を誘った。

 この時、忠吉は66歳。磯CPによると、古沢氏は忠吉が高齢のため、歯の抜けたキャラクターに設定。「一語一語、何を言っているのかは分からなくても、言わんとしているニュアンスは通じないと面白くない。この忠吉を体全体で演じ切れる表現力をお持ちなのはイッセーさんしかないと思い、お願いしました」と起用理由を説明。

 イッセーは「歯が抜けた入れ歯」という“特殊メーク”を装着。「一体、歯がどのくらい抜けるとしゃべりにくくなるか、イッセーさんと一緒に何度か実験をしました(笑)」。試行錯誤の末、ギリギリ聞き取れる・聞き取れない分かれ目を発見して、今の形になった。

 家康不在の岡崎城の留守を預かった忠吉は、今川家の目を盗んで金銀武器を貯め込み、松平家再興を支えた長老。「家康が諸国と渡り合えたのは、忠吉のバックアップのおかげ。忠吉がいないと、今回の物語は進みません。必要不可欠な人物です」と序盤のキーパーソンの一人に挙げた。

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2023年1月12日のニュース