渡辺王将 通算勝数を700に乗せる 叡王戦で再始動飾るも2局目は黒星

[ 2021年12月16日 22:16 ]

渡辺王将
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 将棋の渡辺明王将(37)=名人、棋王の3冠=が16日、第7期叡王戦段位別予選九段戦の準決勝で久保利明九段(46)に勝利し、通算勝数を700の大台に乗せた。ところがこの日2局目の三浦弘行九段(47)との決勝には敗れ、藤井聡太叡王(19)=竜王、王位、棋聖含む4冠=への挑戦権を16人で争う本戦トーナメント進出は逃した。

 午後2時開始の久保戦は振り駒の結果、渡辺が先手。相手十八番の石田流を手堅い指し回しから133手で寄せ切った。通算勝数を700(355敗の勝率・664)とすると、午後7時開始の三浦戦は渡辺の後手で戦型は相掛かり。42手目に三浦飛車を捕獲したが決め損ない、95手での終局後、対局中の苦悩を物語るように「何か失敗しているんでしょうね」「ちょっと迫る手が…」と繰り返した。三浦戦は昨年3月の竜王戦に続く連敗で、ここ10局でも4勝6敗と苦手にしている。

 全8冠中3冠の渡辺はその3棋戦で挑戦者争いの対局がないこともあり、対局数が少なくなりがち。公式戦は10月16日のJT杯豊島将之九段戦以来2カ月ぶり(未放映のテレビ対局を除く)だった。

 1月9、10日に静岡県掛川市での第1局で開幕する本社主催・第71期ALSOK杯王将戦7番勝負。通算6期目の獲得に挑む渡辺にとって、挑戦者に迎え撃つ藤井にはここ2年連続、棋聖戦5番勝負で敗退した。3度目の決戦へ、再始動から勢いに乗って年越しといきたいところだったが、節目の勝利を達成後に落とし穴が待っていた。

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2021年12月16日のニュース