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聡太ったのか

【節目】ありました
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 【我満晴朗のこう見えても新人類】アマチュア野球を担当していた四半世紀ほど前。東京六大学リーグで東大が通算200勝を達成して話題になった頃だ。当時の平野裕一監督がその200勝について「メルクマール」と表現していたのを思い出す。

 は?メルクマール?

 今ならこっそりスマホで調べれば瞬時に分かるけど、時は1990年代。仕方なく本人に直接聞いてみたら「目印」とか「指標」という意味のドイツ語=Merkmalなのだそうで。

 英語なら「マイルストーン」となるのだろうか。すると日本語なら「一里塚」。いずれにせよ、「区切り」を意味する単語だ。野球の取材でドイツ語を扱ったのは後にも先にもこの1回だけだったと思う。

 と、こんな昔話を書いたのはほかでもない、将棋の藤井聡太四段(15)が久々に発した難易熟語を耳にしたからだ。

 11月21日に関西将棋会館で行われた王座戦一次予選。126手で平藤真吾七段(54)を下し、記念の通算50勝目を挙げた際のコメントが「一局一局積み上げてきたのがセツモクの数字になって感慨深い」だった。

 は?セツモク?

 早速、手元の辞典を引いてみる。社内に転がっていた岩波国語辞典第4版には「雪盲(せつもう)」の次に「設問(せつもん)」となっていた。引き出しの奥に隠しておいた私物の新選国語辞典新版(小学館)に当たっても同じ。ならば仕方あるまい。エースの出番だ。岩波書店・広辞苑(第5版ですが)をめくる。おお、あった。

 「せつ―もく【節目】(1)草木の節と木目。転じて、物事の区切りや条理」

 なんでも正法眼蔵の「弁道話」からの引用という(と書いている筆者はこの時点で何が何だか全く分からない)。一般的に「ふしめ」と読んでいたこの熟語、そんな由緒ある言葉だったとは。

 思い起こせば怒濤(どとう)の29連勝中、「望外」に加え「僥倖(ぎょうこう)」と、今年の流行語となってもおかしくない単語を連続ヒットさせた藤井四段。訳知り顔の大人たちを圧倒する語いの豊富さにはあらためて恐れ入る。

 一方でわが身。これでも日本語のプロのつもりでいたのがちゃんちゃらおかしい。いったい今まで何をしてきたのか。「節目」じゃなくて「節穴」の二文字がじわっと染みいる初冬の寒さよ。(専門委員)

 ◆我満 晴朗(がまん・はるお)1962年、東京生まれの茨城育ち。夏冬の五輪競技を中心にスポーツを広く浅く取材し、現在は文化社会部でレジャー面などを担当。時々ロードバイクに乗り、時々将棋の取材もする。

[ 2017年11月30日 08:00 ]

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