デーモン閣下 日馬引退「望んでいない」、暴力の伝統根絶訴え

[ 2017年11月30日 05:50 ]

日馬富士の引退について会見を行ったデーモン閣下
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 横綱・日馬富士が引退したことを受け、好角家のデーモン閣下が29日、都内で取材に応じ「相撲ファンとしては望んでいない結果になった」と悔やんだ。今回の問題を機に「暴力なしに指導はできない」という相撲界の根深い伝統を断つべきだと進言。「引退をしたからといって全部終わったことにしてはならない」と訴えた。

 引退会見から1時間半後に取材に応じた閣下は開口一番「残念な結果になった。私見としては、引退しなくてもよかったと思っている」と率直な思いを明かした。2週間前に左足首の古傷を手術し、この日、TBSの情報番組「ひるおび!」で仕事復帰。一連の騒動について発言するのは初めてだ。

 引退会見について「無念さがにじみ出ていた」と感想。その背景に「手を出さないで指導なんてできない」という相撲界の伝統が根深くあることを挙げ「日馬富士は“皆やってることなのに、何でオレだけつるし上げられるんだ”と思っているはずだ」と指摘した。

 07年には時津風部屋で親方の暴力で弟子が死亡する事件が発生。これを機に相撲界も体罰をなくそうという動きが出たが「それは表向きで、実際は変わっていない。相撲界でかわいがりは伝統だと思っている人が多い。日馬富士が貴ノ岩を殴っている時に周りがすぐに止めなかったのもそういう伝統の表れ」と説明。その上で「長く相撲ファンであるが、そういう時代は終わった。今こそ見つめ直す時」と、今回の問題を機にあしき伝統を断つべきだと訴えた。

 9月の秋場所で日馬富士が優勝したことを振り返り「満身創痍(そうい)なのに、立て直して逆転で優勝をもぎとった。横綱の責任を果たした」と称えた。「どんな横綱だったか?」と聞かれると「白鵬という大主役がいる中で最も光った脇役だった」。日馬富士は日本国籍を取得していないため、親方として相撲協会に残ることはできないが「相撲界に関わりを持ち続けてほしい」と期待した。

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2017年11月30日のニュース