球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

WS前から始まったメッツVSボラス氏の“銭闘”

[ 2015年10月25日 05:30 ]

 ワールドシリーズ(WS)目前、メッツの主戦投手マット・ハービー(26)の代理人、スコット・ボラス氏が「再登板」だ。ボラス氏はシーズン終了直前に「右肘じん帯再建手術後のハービーの投球回数は180回まで」と爆弾発言。ポストシーズンは投げないというのだ。医師の注意を守り、慎重にハービーを投げさせてポストシーズンに備えてきたアルダーソンGMは怒った。ハービーはGMに従って、ポストシーズンのドジャース戦、カブス戦に先発、2勝、今季の投球回数202回で弾みをつけWSを迎える。

 GMに一本取られたボラス氏だが、これで引っ込んでは代理人は務まらない。大型契約で巻き返そうというのである。ハービーはリハビリで昨季全休、大リーグ登録3年で得られる年俸調停権は1年遅れて来季末。FA権取得も19年末だ。年俸は約7000万円。大リーガーの今季平均年俸は約5億円だが、年俸調停権なしの若手選手は1億円が壁。ハービーの遅れた昇給階段を一気に縮めるため、ボラス氏が狙うのが来季からのFA権を得る年を飛び越える長期契約だ。7年から10年契約が目標では、とメディアは予想する。ハービーと並ぶシンダーガード(23)の年俸は約5000万円、デグロム(27)は約6700万円。長期契約はチーム内バランスを崩すため高いハードルになる。

 メッツはWS終了後に契約切れのコロン投手(42)セスペデス外野手(29)、FAになるポストシーズン6試合連続本塁打中のマーフィー二塁手(30)ら高額年俸選手は引き留めず、若手年俸アップに備えるという。メッツ対ボラス氏の戦いが見ものだが、WS開始前にこんな報道が飛び交うところが大リーグの厳しさなのだろう。 (野次馬)

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