球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ボラス発言再び…独走メッツにエース登板制限危機

[ 2015年9月13日 05:30 ]

 ナ・リーグ東地区首位のメッツは先週の2位ナショナルズ戦3連勝を含む5連勝で、ナ軍とのゲーム差を8・5に広げた。これでナ・リーグ東地区優勝でプレーオフに逃げ込めそうだ。しかし、チームには気まずい空気が漂っている。突然、エースのマット・ハービーの投球回制限問題が浮上した。13年に右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)をしたハービーには、「今季の投球回は180回までと医師から制限されている」とスコット・ボラス代理人が明らかにしたのだ。5月に復帰したハービーは手術前と変わらぬ速球で12勝を挙げて勝ち進み、ファンは「悪徳の街の黒い騎士(バットマンの別称)」と称賛、ハービーも「いくらでも投げる」とタフガイ・モードだったが、状況激変。

 サンディ・アルダーソンGMは「180回を多少超えても大丈夫と理解している。プレーオフも投げてもらう」。GMと代理人の水面下の攻防が始まり、執刀医は「どうするかは当事者が決めることだ」。ボラス発言は3年前の顧客投手の前例からだ。ナ軍のスティーブン・ストラスバーグ投手が手術明けで160回制限を示された。ナ軍は開幕時に「これを守る」と公表した。ストラスバーグが強く登板を望んだ優勝争い最中の9月初め、投球回が159回1/3になると球団は「彼の今季は終了」と宣言した。ナ軍は地区優勝しプレーオフで敗れたが、非難はなし。

 ボラス発言後ハービーは「医師に従う」と言い出して大ブーイングを浴び、「私は常にチームとともにある」と追加声明を出したが「投げるかどうか答えていない」と米メディア。さらに「球団の誰もがポストシーズン進出を期待していなかったことから起こった混乱」と切り捨てられた。現時点のハービーの投球回数は171回2/3。まだ8回1/3投げられるが、どうする? (野次馬)

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