球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ヤンキースの“食事改革”体重減って打率上がる?

[ 2015年3月29日 05:30 ]

 デレク・ジーター主将の引退で、重量感が無くなったヤンキースがさらにスリムになろうとしている。栄養士と契約しクラブハウス内の食事改善に乗り出したのだ。「戦うためのより完全な体を持つ選手をつくるため」とブライアン・キャッシュマンGMはニューヨーク・タイムズ紙に話した。雇われた栄養士はシンシア・サース女史。フィリーズで3年、その後レイズで8年、選手の食生活改善で実績を上げてきた。キャッシュマンGMは、かねて球場で選手に提供する糖分、脂質が多い高カロリー食に不満だった。そこでサース栄養士の登場となった。

 「無理やり野菜を口に押し込むわけではありません。食事がいかに健康管理で大切かを理解してもらうのが大切」とサース栄養士。キャンプの講習会でもそれを繰り返してきた。ニンジンは夜間の視力を良くする、緑葉野菜の摂取は物体の輪郭をはっきり見分ける能力を高める…。最新の栄養学の知見を話し、選手が「打率が上がりそう」と食事に気を使い始めれば、手応えあり。食事改革はレッドソックス、エンゼルスなどかなりのチームが先行する。「他チームがやっている。どうなるか興味がある」とマーク・テシェイラ一塁手。マイナー時代から選手が親しんできたピザ、フライドポテト、炭酸飲料などがメニューから消え、魚、野菜、果物に代わる。

 実は「ボス」と恐れられた故ジョージ・スタインブレナー・オーナーはこの食事改革に挑んだが、忍耐が足らずに「怒った方が選手は働く」とやめてしまったそうだ。昨季のヤ軍のチーム打率・245はア・リーグ15球団中の11位。選手の体重が減って打率が上がるのか、楽しみだ。 (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る