球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

有望株めぐるヤ軍VSレ軍契約バトル 結果判明は数年後

[ 2015年3月1日 05:30 ]

 ヤンキースとレッドソックスの戦いが始まった。昨季は共にプレーオフ進出を逃したライバルが、キューバからグアテマラに亡命した19歳のスイッチヒッター、ヨアン・モンカダ内野手の獲得競争でぶつかった。ヤ軍が総経費5000万ドル(約59億5000万円)で獲得と噂が流れた直後に、レ軍が総経費6300万ドル(約74億9700万円)で逆転した。

 「総経費」としたのは、大リーグ(MLB)の規則で球団それぞれに外国人選手と契約した場合の契約金総枠が決められ、これを超えると「罰金」の意味合いの「税金」が科せられるためだ。ヤ軍もレ軍も契約金と同額が課税される金持ち球団。従ってレ軍のモンカダの契約金は総経費の半分、3150万ドル(約37億4900万円)、23歳以下の外国人選手に払われる最高額となった。

 「税金額も考えながら精いっぱいの2500万ドルの契約金を提示したが」とヤ軍のブライアン・キャッシュマンGMは悔しがった。両球団は最初から「罰金」を経費に織り込んで競り合っていたのだった。以前にもキューバ選手をめぐって両球団の大バトルがある。02年、レ軍がホセ・コントレラス投手と「契約合意」してホテルを出た後にヤ軍が巻き返して素早く契約した。激怒したレ軍のラリー・ルキーノ球団社長が「ヤンキースは悪の帝国」と言い放った有名な騒動だ。今回はその意趣返し、とメディアは面白がる。

 「野球界の投資はハイリスク、我々は期待を持ってやるべきことをした」とレ軍のジョン・ヘンリー・オーナー。宣伝文句は「19歳の天才」、勝負の結果が出るのは数年先になる。コントレラスは6球団を転々とし78勝67敗で消えたが、今度は…。
 (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る